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「つくることによる学び」を支援する

第3回:ラーニング・パターン

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ラーニング・パターンによる創造的な学びの支援

 第1回目の記事でパターン・ランゲージのもたらす効果として、「創造の誘発」、「共通言語」、「認識のメガネ」という3つを取り上げた。ラーニング・パターンもパターン・ランゲージのひとつである以上、この3つの効果が期待できる。

創造の誘発

 ラーニング・パターンには、創造的な学びとはどのような学びであり、それをどのように実現すればよいのかが書かれているため、それを踏まえることで、創造的な学びのデザインがしやすくなる。特に、小さな単位でたくさんのパターンが定義されているため、現在の自分のやり方をベースとして、少しずつ拡張・成長させることができるようになっている。これが、ラーニング・パターンを「クリエイティブ・メディア(創造を誘発する媒体)」として用いるということである。

共通言語

 ラーニング・パターンは、創造的な学びのデザインのための「共通言語」として用いることができる。パターンに「名前」がつけられていることによって、それを語彙(ボキャブラリー)としてコミュニケーションを図ることができる。たとえば、「新技術についての《学びの共同体をつくる》ことが必要だと思う」とか、「最近異動してきたメンバーは、まずは《まねぶことから》始めてください。」というように、学び方に言及できるようになる。これが、ラーニング・パターンを「コミュニケーション・メディア(コミュニケーションを促進する媒体)」として用いるということである。

認識のメガネ

 ラーニング・パターンは、学びの経験を捉えるための「認識のメガネ」にもなる。ラーニング・パターンに照らして自分の経験を振り返ることで、どのような学びを実践してきたのかを捉え直すことができる。また、周囲の人の成長の理由も、ラーニング・パターンを踏まえることで読み取ることができるようになる。これが、ラーニング・パターンを「コグニティブ・メディア(認識を可能とする媒体)」として用いるということである。

 誰かがつくったものを消費するだけでも、それについてのコミュニケーションを図るだけでもなく、自分たちで「つくる」という社会、そのような創造的な社会が到来する。そうであるならば、組織のあり方もそれに合わせて変わっていかざるを得ない。それが、創造的な体質へと変わる「クリエイティブ・シフト」が不可欠な理由である。

パターン・ランゲージの3つの効果図表8:ラーニング・パターンにも共通する「パターン・ランゲージの3つの効果」

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この記事の著者

井庭 崇(イバ タカシ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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