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「つくることによる学び」を支援する

第3回:ラーニング・パターン

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原則2「つくることによる学びを実現する」

 創造的な学びにおいては、学ぶための「創造」が不可欠である。そのため、どのようによい創造をするのかということも、考えることが不可欠となる。まず、最初に重要なのは《動きのなかで考える》ということである。頭のなかで熟考してから動くのではなく、手を動かしたり、足を運んだりするなかで考える。つまり、実際にプロトタイプ(試作品)をつくりながら考える《プロトタイピング》や、対象となる《フィールドに飛び込む》のである。

 新しい発想や発見を得るためには、いくつかの秘訣がある。まず、《鳥の眼と虫の眼》を交互にもって、俯瞰して見たり、細部を見たりする視点の移動をする。また、表面的なつながりだけでなく、《隠れた関係性から学ぶ》ことも、新しい発想や発見を得るためには重要である。さらに、自分の専門的な部分だけを特化して掘り下げるのではなく、その周辺領域にまで視野を《広げながら掘り下げる》と、より深い理解が得られるようになる。

つくることによる学びを実現する(1)図表4:ラーニング・パターンの原則2「つくることによる学びを実現する(1)」

 創造の過程は、つらく長いものである。それゆえ、自分が取り組むことの意味や意義を見失わないように、《創造への情熱》が持てるものに取り組みたい。つくり込みの際には、《右脳と左脳のスイッチ》を切り替えながら、論理的な思考と感覚を総動員する。最初から大きな成果を生もうとすると達成までの道のりが遠くなり、途中で挫折してしまう可能性が増すので、《小さく生んで大きく育てる》ようにするとよい。

 つくっている成果は、ただ「見せる」のではなく、「魅力的に見える」ようにつくり込みたい。そのための《魅せる力》を身につけることが大切である。そのためにも、つくる過程の前半では自分の表現したいことを表現し切ることに主眼を置き、後半では受け手の立場からの視点で仕上げていく。つまり、文章であれば、自分が「書きたいことを書いた」という時点は、まだ道のりの半分でしかないということだ。《「書き上げた」は道半ば》なのである。つくり込みの最後の段階では、気持ちの勢いを抑えるために脳のなかで自然とブレーキが踏まれてしまうので、次なる目標を設定して《ゴール前のアクセル》を踏み直すとよい。

つくることによる学びを実現する(2)図表5:ラーニング・パターンの原則2「つくることによる学びを実現する(2)」

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原則3「学びをひらく」

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この記事の著者

井庭 崇(イバ タカシ)

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