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ロールス・ロイス、バイアスを抑制するAI倫理ツールキット「アリシア・フレームワーク」を発表

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 ロールス・ロイスは、産業界で活用されるAI(人工知能)の倫理と信頼性を確保するため、倫理的枠組みと信頼性のプロセスからなる包括的ツールキットを発表した。

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 このプロセスの導入を完了した企業は、チェック&バランス手順に従うことで、自社のAIプロジェクトは公正で信頼できる倫理的なものであると示すことができる、としている。同ツールキットは、信頼と情報開示のギリシャの女神にちなんでアリシア・フレームワーク(Aletheia Framework)と名付けられ、自由にダウンロードできるよう公開されている。ロールス・ロイスは本発表に先立ち、2020年9月にAIの倫理と信頼性を保証する新しいツールを開発したことを発表している。

Aletheia Framework

 ロールス・ロイスの最高経営責任者(CEO)ウォーレン・イースト氏は次のように述べている。

「今日の発表がAIにとっての重要な分岐点となることを願っています。世界がよりデジタルな世界へ急速に移行する中、AIが倫理的に使用され、人々や社会にとって信頼できるパートナーであることが期待されています。アリシア・フレームワークはそのための基盤を提供するもので、ロールス・ロイスは誰もが無料でアクセスできるようこのツールキットを公開しています」

 同フレームワークは、AI利用を決定する前に組織がその影響を検討するためのチェックリストで、経営者や取締役会が社会的影響、ガバナンスと信頼、透明性の側面から32項目について、事前に精査した証拠を提示するよう求めている。AI採用後は、フレームワークに含まれた5段階の継続的な自動チェックプロセスを通じてAIが行う意思決定を追跡してバイアスや誤動作の有無を検出し、人間が介入して調整や修正ができるよう構築されている。

 同フレームワークは、AI倫理に関する世界的な協議を行っているユネスコの専門家にも共有されており、ユネスコの社会・人間科学部門事務局次長のガブリエラ・ラモス氏は次のように述べている。

「ユネスコでは人間を中心とするAIを開発するよう推奨項目を策定するため世界中の専門家と協力しています。AIは世界を根本的に変えるものとなりますが、どう変えるかを決めるのは倫理です。官民問わず全ての関係者がAI倫理の面で協力する必要があります」

 ロールス・ロイスはアリシア・フレームワークを公開し、世界のAIコミュニティから意見や協力を募り、さらなる改善を目指す、としている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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