陸上物流における業務フローの大部分の統合・デジタル化に加え、石油元売だけでなくサービスステーション(SS)・取引先・運送会社(タンクローリー)といった関係者が必要な情報を共有できる仕組みの構築や荷卸現場へのタブレット導入は、業界でも新しい試み。
新プラットフォームは、燃料油の陸上輸送に関して、出光興産、運送会社、全国約6,400カ所のSSなどにまたがる受注から荷卸しまでのあらゆるデータを、クラウド上でリアルタイムに一元管理し、分析を可能にするもの。蓄積されるデータには、配車計画や関係者との連携状況、SSへの配送状況、荷積・荷卸実績のほか、タンクローリー約900台に搭載されたタブレット端末からリアルタイムに収集される車両の位置情報、作業状況などが含まれる。
これにより、出光興産は、輸送状況の可視化や、受注・配送業務のデジタル化だけでなく、データに基づいた最適な配車計画の策定など、これまで難しかったリアルタイムなデータに基づく輸送計画の精緻化、および輸送オペレーションの効率化を図ることが可能になった。さらに、配送経路の最適化は、二酸化炭素の排出削減にもつながる。また、出光興産だけでなく燃料油物流に関わるすべての関係者が、瞬時に必要な情報へアクセスしたり、よりきめ細やかに情報を共有したりすることが可能になることから、関係者との連携・協働を推進し、出光興産と物流関係者双方の課題解決に貢献できるとしている。
このほか、タンクローリーに搭載されたタブレット端末には、乗務員が直感的な操作で業務内容や注意事項の確認、輸送状況の報告などを行うことができるアプリがインストールされているため、これまで以上に安全かつ効率的な輸送業務が実現できる。
アクセンチュアは、新プラットフォームに関する構想から、Salesforceを活用したプラットフォームの設計・開発、既存システムとの連携を含む導入に至るまでを全面的に支援。また、タンクローリー乗務員用のアプリの開発にあたり、乗務員に対する実態調査を踏まえ、一連の業務シナリオに沿った設計、直感的な操作を可能にするUI(ユーザーインターフェイス)のデザインおよび開発を支援した。