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新規事業 LEADERS 2026

スタートアップ共創から社内起業家育成まで。清水建設「NOVARE」が牽引するイノベーション戦略

新規事業 LEADERS 2026 レポート:清水建設 中村健二氏

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 2026年1月23日に開催した「新規事業 LEADERS 2026 produced by Biz/Zine」より、「清水建設NOVAREにおけるイノベーションの取り組みと共創戦略」と題された講演の模様をレポートする。登壇者は清水建設株式会社 NOVARE イノベーションセンター・General Conductorの中村健二氏だ。2023年に本格稼働したイノベーション拠点「NOVARE(ノヴァーレ)」。建設事業の一本足打法からの脱却を目指し、国内外のスタートアップ共創や社内起業家育成を同社はどのように進めているのか。次世代に向けた共創戦略と実践のリアルが語られた。

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イノベーション拠点「NOVARE」設立の背景

 1804年に越中富山の大工であった初代清水喜助が神田で開業し、220年以上の歴史を持つ清水建設。1887年には渋沢栄一を相談役に迎え、その教えである「論語と算盤」を社是としている。全国47都道府県すべてに支店や営業所を置き、顧客の近くで仕事をするのが特徴だ。

 そんな同社が2019年に発表したのが、長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」である。「スマートイノベーションカンパニー」を標榜し、建設事業の枠を超えた自己変革と挑戦、多様なパートナーとの共創を宣言した。その背景には、強い危機感があったと中村氏は語る。

「2018年における当社の利益構成は、建設事業が90%を占め、さらに国内事業が95%を占めていました。つまり、国内の建設事業の“一本足”という状況だったのです。そこで、非建設事業にも取り組み、海外の割合を増やしていくことを目指しました」

清水建設株式会社 NOVAREイノベーションセンター・General Conductor 中村健二氏
清水建設株式会社 NOVAREイノベーションセンター・General Conductor 中村健二氏

 こうした事業構造、技術、人財のイノベーションを達成し、ビジョンを実現するための組織・場所として整備されたのが「NOVARE」だ。ラテン語で「創作する」「新しくする」を意味し、Innovateの語源でもあるこの言葉には、清水建設のこれまでの殻を破り、新しいことに挑戦するという決意が込められている。

「NOVARE」のオープンイノベーション「DDRS」とは

 東京駅からJR京葉線で3駅の潮見駅前に広がるNOVAREは、複数の施設で構成されている。技術者を育成する「NOVARE Academy」、220年の歴史資料を公開する「NOVARE Archives」、技術研究所から一部機能を移管した「NOVARE Lab」、そして中村氏が勤務し、社外とのオープンイノベーションの場となる本館「NOVARE Hub」だ。さらに敷地の中央には、唯一現存する2代目清水喜助が建設した「旧渋沢邸」が移築され、歴史と未来が交差する象徴となっている。

温故創新の森 NOVARE
クリックすると拡大します

 NOVARE Hubでのオープンイノベーションは、独自の4つのステップで推進されている。

「課題の発見(Discover)、課題を解決する仮説立案(Define)、仮説を検証し実践する(Refine)、成果を社会実装していく(Scale)。私たちはこれを『DDRS』と呼んでおり、この流れに沿って様々なイノベーションに取り組みやすい施設設計にしています」 

D2CSのプロセス図
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 また、NOVARE内には6つの部署が新設された。「新しい組織・施設だからこそ、従来の組織名ではなく横文字で」という当時の社長の号令のもと、プロモーションユニットやベンチャービジネスユニット、そして中村氏の所属するイノベーションセンターなどが組成され、旧来のゼネコンのイメージを覆す体制が敷かれている。

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アクセラレーションプログラムとCVCによる共創

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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