今回の取組は、三井住友信託銀行が証券化商品を裏付けとする受益証券発行信託を設定し、Securitize のプラットフォームを通じて、受益証券をセキュリティトークンの形態に転換した上で、自己私募により発行したもの。
(1)国内初の証券化商品を裏付けとするセキュリティトークン
証券化商品を裏付けとしたセキュリティトークンの発行は国内初となる。なお、本件セキュリティトークンに対しては、株式会社格付投資情報センターより、「a-1」の格付が付与されており、セキュリティトークンに格付けが付与されることも日本初の事例だという。
(2)券面不発行の受益証券発行信託スキームを利用し、「電子記録移転有価証券表示権利等」に該当
このスキームでは、受益証券発行信託を利用し、受益証券を不発行とした上でトークン化することで、権利移転時に、券面の交付を要さず、ブロックチェーン上の記録と受益証券発行信託の受益権原簿が書き換わることで投資家の権利移転が行える仕組みとなっている。
また、今回発行したセキュリティトークンは、金融商品取引業等に関する内閣府令第1条第4項第17号に規定される電子記録移転有価証券表示権利等に該当する。
(3)セキュリティトークンのライフサイクルを通じてSecuritizeのプラットフォームの活用
この取組において、セキュリティトークンはSecuritizeのDSプロトコルを用いて発行された。DSプロトコルとはセキュリティトークンの所有権および権利の移転を制御するプロトコルで、コンプライアンスに準拠した安全な取引を実現するもの。
投資家は、Securitizeの提供する投資家ダッシュボードを使って各種資料の閲覧や投資申込みを電子的に行い、ダッシュボードを通じてポートフォリオの確認を行う。三井住友信託銀行は、管理者コントロールパネルを使って、投資家や受益権原簿、発行したセキュリティトークンを管理する。
Securitizeプラットフォームは、STOのライフサイクルをトータルでサポートする機能をSaaSとして提供可能であり、STOの実施において発行体・投資家に必要なシステムを迅速に構築できるとしている。