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CRM利用定着率100%!AnyMind Group事例に学ぶ、ツールの利用定着化5つのポイント

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利用定着率はほぼ100%!売上も増加

――取り組みによって、実際の利用定着率はどうなりましたか。また現在HubSpotを使って全社的にどのように活用されているのかも教えてください。

増田:施策の結果、当初の導入スコープであったマーケティングプラットフォーム事業ではほぼ100%の利用定着率に達しました。

 活用に関していうと、やはり活動履歴のトラッキングが可能になったことが今までにない大きなポイントです。コンタクト情報を格納したプロパティに、「直近のコンタクト手段」「取引した営業メンバー」「対応してくれた担当者」「所感」などの項目を作って更新していて、その履歴を確認することでロジカルにアプローチすることが可能になりました。課題であったコミュニケーションロスもかなり削減できたと思います。

 また、営業のアポイント状況も数字で可視化できるようになったことで、新人育成もしやすくなったようです。

 マーケティングにおける活用では、Eメール機能を使って新規や既存顧客に向けて継続的なアプローチを行ったり、休眠顧客の掘り起こしに役立てたりするなど、コンタクト情報を一元管理しているからこそできる施策が打てるようになってきています。

――2020年6月に本格運用を開始されて約1年が経過しましたが、現在までにどのような成果があらわれていますか。

増田:HubSpot導入前後の売上進捗を調べたところ、各国で軒並み上昇傾向が見られました。次の図表は、導入期である「2020年第2四半期」と比較した、同第4四半期の関連事業の売上増加率を示しています。

増田:カンボジア、フィリピン、マレーシアでは第4四半期に400%超の成長を達成していることがわかります。複合的な要因による事業成長ですが、すべての拠点のマーケティングプラットフォーム事業が成長していることから、HubSpot導入とそれに伴うプロセス改善による貢献も感じています。

――社内からの評価はいかがでしょうか。

増田:複数ヵ国における営業組織を見ているマーケティングプラットフォーム事業の責任者からは、HubSpotを導入したことで業務改善に大きな影響があったとの声が届いています。

 具体的には、これまで個別のツールで管理されていた「顧客データ」と「パイプラインの管理」をHubSpot内で一元管理するようになったことで、データ集計やそれまで煩雑化していたファイルの管理が楽になったり、新しいメンバーに新規営業を実施してもらう際も過去の担当者とのコミュニケーションを通じて理解してもらう工程がなくなったりで、週7時間ほどの業務効率化を実現できたとのことです。

 パブリッシャーグロース事業部からは、それまでマーケティングにおけるリスト作成や施策結果の管理と顧客データベースの同期が課題だったものの、導入後はHubSpotの顧客データをベースとしたマーケティング施策が可能になったこと、メール開封率やクリック率をモニタリングして、数値の高い顧客をホットリードとして営業にパスできるようになったことなど、今までできていなかったことに取り組めるようになり、新規の売上が創出できているという話も聞いています。

大川:実感としては、HubSpot導入を契機としたプロセス改善により全社で同じ数字を見るようになり、何がどう起こっているかをリアルタイムに捉えられるようになったことで、マネジメントの目線が合い、営業プロセスの統合や情報をすり合わせる面でプラスになっていると感じています。

5年、10年と運用を続けられる仕組みを社内に根付かせたい

――最後に、この先どういう形でHubSpotを活用されたいか、今後の展望をお聞かせください。

増田:プロジェクトを始動して1年。沢山の部門と人に理解・協力をもらいながら、運用を軌道に乗せることができました。次は「情報をリアルタイムに一元管理する」という目標に向けて、HubSpotを全事業部門に導入する動きを加速させたいです。

 さらに、これからは数字の大小だけでなく「結果を出すための行動」にも注目し、生産性の観点から営業活動の質を高められるような活用体制を構築していきたいです。

大川:弊社の主要事業の1つであるマーケティングプラットフォーム事業の顧客案件情報の統一に加えて、会計システムとの統合など、この先もしっかり進めていかなければと思っています。

 あとは、今はプロジェクトを組んでサポートしていますが、ツールの導入はあくまでも手段であって、運用はずっと続きます。5年、10年後も続けられるようにするためにも、今後もプロセスの改善を続け、不要となったプロセスや情報を減らしたり、継続的な運用・改善できる組織づくりを目指したいです。

 そういう意味でいうと、我々はある程度組織が大きくなった状態でスタートしましたが、ビジネスモデルが固まっている事業フェーズ以降あれば、早い段階で始めた方がツールに何かを入れることがカルチャーとして浸透するのも早いはず

 今回実際に取り組んでみて、過去のデータの活用やその工数に関連して、もっと組織が小さいうちに取り組んでいれば良かったと思うことが結構あったので、これから導入を検討している企業は、その点を考慮して早めに動き始めることを検討してみるといいのではないでしょうか。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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