2021年4月より三井化学は、IBM Watsonを活用した「労働災害危険源抽出AI」を大阪工場の社員を対象に導入した。「労働災害危険源抽出AI」は、自然言語を含む大規模データを多角的に分析する「IBM Watson Explore」や、IBM Cloud上で稼働する検索効率化に向けたテキストデータ分類が可能な「IBM Watson Natural Language Classifier」を搭載した、SaaSシステム。これまで紙ベースで蓄積された過去の労働災害情報やヒヤリハット情報、トラブル報告書をデータベース化し、社員の安全活動レベルを向上させることを目指して、日本IBMのデータサイエンティストやコンサルタントにより構築されたという。
三井化学の社員は、工場内に設置されたパソコン端末に、これから行う「作業の場所」や「作業内容」、火傷や転倒といった「労働災害の種類」などのキーワードを入力することで、過去のデータベースからリスク相関性の高い事例の照会、類似事例を迅速に抽出することができる。このシステムを利用することで、属人性の解消、スキルやノウハウの伝承、原因究明の早期化などが図れるとしている。