今回、事業化が検討される「匂いセンサー」は、プローブ(人間の嗅覚細胞に相当する物質)に香り分子が吸着することによる、電気抵抗の変化で匂いを検知する方式のもので、機械学習を通じてAIが香り分子の組み合わせパターンを検知するという。
本事業化にあたり、三洋化成は、界面活性剤および機能性高分子に関する技術を活かし、多様な匂いの識別を可能にする高精度プローブの組み合わせを提案。長瀬産業は、プローブから得られたデータ処理を含むセンサーシステムの上位設計と、顧客ニーズに沿った分析結果を提供する新規DXビジネスの構築を目指すとしている。
両社は今後、「匂いセンサー」の事業化に向け、まずは日本酒の醸造工程における品質管理と、香り成分の管理・計測や分析を通じた、新商品開発への活用を目指すという。その後は食品、医療、香粧品や、工場での環境対応などといった市場においてのマーケティングを推進し、長瀬産業が有する顧客ネットワークを活用して、幅広い分野に展開するとしている。