SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

Biz/Zineニュース

東芝と理研、利用環境にあわせてAIの性能と演算量を学習後に調整可能な「スケーラブルAI技術」を開発

  • Facebook
  • X
  • Pocket

 東芝と理化学研究所(以下、理研)は、学習済みのAIを、できるだけ性能を落とさず、演算量が異なる様々なシステムに展開することを可能にする学習方法であるスケーラブルAIを開発した。

  • Facebook
  • X
  • Pocket

 東芝と理研は、性能低下を抑えて演算量を調整可能なスケーラブルAI技術を開発した。独自の深層学習技術より、学習済みのAIがその性能を維持しながら様々な処理能力のプロセッサで動作可能になり、利用用途の異なる多様なシステムに向けたAIの開発の効率化が期待できるという。

 この技術は、元となるフルサイズの深層ニューラルネットワーク(フルサイズDNN)において、各層の重みを表す行列を、なるべく誤差が出ないように近似した小さな行列に分解して演算量を削減したコンパクトDNNを用いる。コンパクトDNNを作る際、従来技術は、単純にすべての層で行列の一部を一律に削除して演算量を削減するが、この技術は、重要な情報が多い層の行列をできるだけ残しながら演算量を削減することで、近似による誤差を低減することが特徴となる。

 学習中は、様々な演算量の大きさにしたコンパクトDNNとフルサイズDNNからのそれぞれの出力値と、正解との差が小さくなるようにフルサイズDNNの重みを更新。これにより、あらゆる演算量の大きさでバランスよく学習する効果が期待できる。学習後は、フルサイズDNNを各適用先で求められる演算量の大きさに近似して展開することが可能となる。また、学習を通して演算量と性能の対応関係が可視化され、適用先に必要な演算性能を見積もることが可能になり、適用先システムのプロセッサ等の選択が容易になる。

 東芝と理研は今後、この技術をハードウェアアーキテクチャに対して最適化することで、様々な組み込み機器やエッジデバイスへの適用を進め、実タスクでの有効性の検証を通して、2023年までの実用化を目指すとしている。

図1:開発の背景図1:開発の背景

図2:スケーラブルAIの効果図2:スケーラブルAIの効果

図3:本技術の特徴図3:本技術の特徴

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
関連リンク
この記事の著者

BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング