リアルタイムに人軸でデータを溜め、データを人として可視化する
こういったシナリオを描けるのは、顧客体験プラットフォームKARTEが、(1)ユーザー情報やコンバージョン情報、サイトのアクセス情報、社内データ、Salesforceなどにある、ありとあらゆるデータをリアルタイムで統合でき、(2)そのデータを顧客軸でリアルタイムに解析し、〇〇さんが「Facebook広告から流入しました(たった今)」「商品詳細ページを閲覧しています(数秒前)」などとわかりやすく可視化して、(3)サイト内のアンケートやポップアップ、チャット、サイト外のLINEやメール、Salesforce、店舗での接客など、あらゆる接点で活用できるようにするからである。
顧客一人ひとりのデータをリアルタイムで溜めていくことは非常に重要である。なぜなら、顧客の気持ちは変わりやすいからだ。例えば、1日前に顧客が熱心にECサイト上でシャツを見た場合、その顧客が来店した時にはシャツを勧めるのが小売DXとしては最適だ。しかし、実はその顧客が2時間前に電車の中で、または10分前にランチをとりながらパンツを見ていた場合には、その顧客はすでにシャツに興味を失っているのかもしれない。それなのにシャツを提案すると、それは顧客にとっては良い体験にはならない可能性がある。店舗でのデータ活用では、その時その瞬間のお客さまの情報を、リアルタイムに知ることが非常に重要になる。
KARTEではありとあらゆるデータを統合できるが、それを活用する企業側の人には、さまざまな人がいる。ECサイト担当者と店舗スタッフ、商品開発担当者、営業マンでは、見たい情報は異なるだろう。KARTEでは、溜まった顧客軸でのデータをさまざまな形で可視化できるため、従業員が顧客を直感的に知ることができ、アクションにつなげられる。
こういった特徴に加え、KARTEではPOS、QR、カメラ、Wi-Fi経由の情報といったインプット手段を増やして、それらを連携できるようにしている。またビデオやデジタル接客、サイネージなどといったオフラインでのアウトプット手段も増やしている。
「小売DXが難しいのは、今までの顧客体験が一つひとつの接点、チャネルでそれぞれ体験を作っていたからではないでしょうか。しかし、来店するお客さまの視点で見ると、デジタル、リアルは関係なくつながっていて、線的な体験全体が重要なのです。線的な体験全体をより良いものにするためには、一方的に体験を提供するだけでは足りず、お客さまがその体験に対してどう感じ、どう反応したかを理解し、次のチャネルに渡して生かすことが必要です。それができて初めて小売DXが実現できるのです」
と、宮下 巧大氏は説明する。