4つのOMOのソリューションパッケージ
宮下氏は続いて、KARTEで提案する小売DXのための4つのOMOソリューションパッケージを紹介した。
1つめは「OMO Analysis」である。顧客軸でID統合し、オンライン・オフラインでクロスユースしている顧客の実態を明らかにする。まずは状況を把握し、投資すべきポイントを見極めたい、OMO事業の最初の一歩を踏み出したいと考える企業に最適なソリューションである。
「OMO Analysis」では、例えば顧客軸でECサイトと店舗POSデータを分析することで、クロスユースの実態を知ることができる。「店舗で商品を購入した会員であるユーザーが、その月にどんな行動をしていたのか」と「ECで商品を購入した会員であるユーザーは店舗をどのように活用しているのか」を調べ、その結果、例えば「店舗で商品を購入して会員になったユーザーの過半数が当月にECサイトを訪問している」「EC購入者が当月に店舗でも購入している」などといった、クロスユースの実態を知ることができるのだ。
また顧客一人ひとりの店舗とECの購入傾向の違いから、店舗とECをどう使い分けているかを知ることができるので、店舗で何を提案し、ECで何を提案すべきかがわかる。ユーザーがどんな動きをしているか見ることで意思決定のタイミングとチャネルに関するインサイトを得ることもでき、カスタマージャーニーを描くことにも役立てられる。
2つめは「OMO Recommend」である。これはオフラインでもテックタッチの接客を行うことで店舗での購買体験をアップデートするものだ。まずは店舗をデジタル化したい、店舗の回遊性を高めたいと考える企業に最適なソリューションである。
具体的には、EC上のデータと店舗のデータをKARTEに統合し、POSデータから店舗のベストセラーを紹介する、Web履歴をもとにしておすすめアイテムを紹介するなどといったコンテンツを、顧客の状況に合わせて配信するものだ。
ナノ・ユニバースでの導入事例では、アプリで店舗専用ページを用意している。店舗外ではそのページは使えないが、店舗でチェックインをすると、その瞬間、顧客の状態に合わせてさまざまなコンテンツが表示される。そのコンテンツを通して、店舗の回遊やスタッフとのコミュニケーションを円滑にしている。