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金融×デジタルで実現する“滑らかな”ユーザー体験──組込型金融がエンドユーザーの生活を変える

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 ペーパー文化の日本でも進むデジタル化。金融が生活に溶け込んでいく組込型金融(エンベデッド・ファイナンス)が近年話題となる中、「FINTECH JAPAN2021」では「金融とデジタルでエンドユーザーの生活がどう変わるか」と題して、各企業が実例を交えながら解説した。登壇者はGMOあおぞらネット銀行 執行役員/企画・事業開発グループ グループ長の小野沢宏晋氏、株式会社ブロックチェーンハブ 代表取締役社長/日本セキュリティトークン協会 代表理事の増田剛氏、大日本印刷株式会社 情報イノベーション事業部 PFサービスセンター デジタルトラストプラットフォーム本部 企画開発第2部 部長の木村雅則氏、モデレーターを一般社団法人Fintech協会 理事/株式会社TRUSTDOCK 取締役の肥後彰秀氏が務めた。

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エンドユーザーの利便性を向上させる「組込型金融」とは

 初めに、組込型金融(エンベデッド・ファイナンス)とは何か、どこを目指しているのかについて小野沢氏が説明した。

 組込型金融とは、これまで金融機関が提供してきた金融サービスを切り離し、その機能を非金融企業の事業サービスの中に組み込むことだ。製品機能のサービス化、いわゆる「as a Service」の金融版で「Banking as a Service」とも呼ばれる。一般企業が組込型金融を導入することで、エンドユーザーの生活に密着したサービスをよりスムーズに提供することが可能になる。2020年にアメリカで登場したことから徐々に広まり、翌年にフィンテックサミットで日銀の黒田総裁が取り上げるなど、日本においてもユーザーの利便性向上やDX推進の一環として同様の流れが到来している。

 小野沢氏は、組込型金融がどのような業界構造の中で実行されているのかを、「エンドユーザー」「ブランド」「イネイブラー」「ライセンスホルダー」という四者の関係から説明した。エンドユーザーに最も近く、組込型金融を取り入れてデジタルサービスを提供者する「ブランド」は、強力な顧客基盤を持つ楽天やPayPayなどが該当する。「ライセンスホルダー」は、金融サービスのライセンスを保有、提供している銀行などが位置し、「イネイブラー」は「ブランド」と「ライセンスホルダー」の橋渡し役となる存在だ。

 このような構造を小野沢氏は「ホリゾンタルなアーキテクチャで業界が発展するということは素晴らしい。色々なプレーヤーが繋がりあって新しい価値が提供されやすい業界構造になるということは、エンドユーザーにとっても良いことだと思います」と好意的に捉える。

GMOあおぞらネット銀行 執行役員/企画・事業開発グループ グループ長 小野沢宏晋氏
GMOあおぞらネット銀行 執行役員/企画・事業開発グループ グループ長 小野沢宏晋氏

 次に、組込型金融でどのようなことが実現されるのか、小野沢氏は活用事例を説明した。給与の前払いサービスの場合、従来であれば

  1. 給与前払い請求
  2. 銀行で残高確認
  3. ウォレットでチャージ
  4. 銀行で確認
  5. ウォレットで決済

と、複数のアプリケーションで確認と操作が必要だった。

 そこに給与払いのアプリケーションの中に銀行機能やウォレット機能を組み込んでいくことで、ワンストップでの購買が可能になるというのだ。

 その他にもクラウドファンディングを活用した支援や不動産テックといった色々な動きが出てきているように、フリクションを減らし、金融サービスが日々の生活の中に溶け込んでいくことが組込型金融の価値の一つだと小野沢氏は話す。

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この記事の著者

比惠島 由理子(ヒエジマ ユリコ)

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