デロイト トーマツ グループの有限責任監査法人トーマツは、過去の不適切な財務データをAIに学習させることで、会社、勘定科目単位で不正を検知する不正検知モデルを開発。1月より本格導入を開始した。
これに加え、従前から活用してきた仕訳分析モデルや異常検知モデルと組み合わせて、不正リスク評価から、対応手続の立案までAI・アナリティクスを活用するアプローチを確立。AIの活用を通じて、AI・データドリブンによる監査の高度化を目指すという。
今回開発された不正検知モデルは、上場企業の過去の不正の傾向をAI・機械学習モデルに学習させている。そのため、監査人は監査先から財務データを入手し、同モデルにデータを投入することで、予測モデルによる不正スコアの計算が実施され、不正リスクが高い会社、勘定科目および財務指標を識別することが可能。
これにより、監査人は不正リスクの分析を効率的に行うとともに、従来は識別できなかった不正パターンの識別が可能となり、検知された不正の兆候に基づいて監査先企業との議論を深化させることで、企業のガバナンス向上に貢献するとしている。