NECは、2025中期経営計画の実現に向けて事業戦略の実行を加速・強化するため、「組織の大括り化」「レイヤー(階層)のフラット化」「組織デザインの柔軟性」「権限委譲と責任の明確化・強化」を核とした、事業体制の改革を4月1日付で実施する。
同社は、1960年代の事業部制導入以降、基本的な組織構造を大きく変えず事業運営を行ってきた。しかし、個々に最適化を追求した結果として組織が細分化され、組織単体での権限や投資体力が十分とは言えない状況になっているという。そこで、2025中期経営計画の戦略単位を基軸とした事業体制を2023年度に確立すべく、抜本的な改革に着手するのだとしている。
まず2022年度は、現在の事業部レベルの組織を関連する市場や製品・サービス、機能の単位で大括り化することで、組織数を約150から約50へと再編。また、CEOから担当者までのレイヤーを、現在の8階層から原則6階層に集約するという。
これらの改革を通じて、部門長をはじめとするリーダー層の権限と責任を強化し、市場環境の変化に応じた柔軟かつ迅速なリソース配分や、現場起点での意思決定と実行のスピード向上を実現。また、組織長のタイトルとグレードを分離し、柔軟な運用を行うことで、リーダー層への若手の抜擢を促進するとしている。
新組織は、ヒエラルキー型とプロジェクト型のハイブリッド構造を基本形とし、迅速な戦略遂行のため、アジェンダリーダーが率いる専門性の高いチームが、機動的にプロジェクトを実行する体制を目指すという。プロフェッショナル職については、役員クラスから担当者まで専門性の高さに応じたタイトルをつけ、ジョブ型人材マネジメントへの移行を進めると述べている。
加えてDX戦略加速に向け、デジタル関連の横断組織である「デジタルビジネスプラットフォームユニット」に、戦略コンサルティング、ネットワーク領域も含むデジタル関連の製品・サービス・技術、エンジニアリング、フィールドマーケティングの機能を一元化。顧客へのDXオファリングの訴求力強化・提供拡大を目指すという。
最後に同社は、コーポレート機能強化の一環として、社内DX改革プロジェクトチームや社内IT開発・運用機能などを一体化し、同社のDXを含むコーポレート・トランスフォーメーションをけん引する部門を設置すると発表。同時に、マーケティング戦略機能、ソートリーダーシップ機能、コミュニケーション機能、コーポレートデザイン機能を経営企画部門に集約し、環境変化に即応できる戦略立案に向け市場分析力を強化するとしている。