ジェトロは、2021年に開催した、日本が抱える社会課題の解決策をテーマとした海外スタートアップコンテスト「Japan Challenge for Society5.0-Accelerate Innovation with Japan-」の採択スタートアップ45社より、アワードウィナー15社を決定した。
同コンテストでは、採択スタートアップ45社に対する特典として、以下2つの支援事業を進めてきた。
- ジェトロが紹介する日本の有識者(メンター)によるメンタリング
- 総合技術展示会「CEATEC 2021 ONLINE」にて、ジェトロが設置した海外スタートアップゾーン「JETRO Global Connection」への出展とオンライン商談会
今回、日本企業との協業連携が実現する可能性が特に高いスタートアップ15社を、アワードウィナーとして選定。3つめの支援事業として、以下を提供するという。
- 選定企業には、オンラインにて日本市場に対するコンサルティング、日本企業や自治体との個別マッチングを実施
アワードウィナーに選定された15社と、その事業・活動内容は以下のとおり。
社会課題テーマ1:環境配慮型社会への転換
- Biolive(トルコ):オリーブの種や廃棄食材を利用した100%植物由来の、環境に配慮したバイオポリマーやヴィーガンレザーを生産・販売
- Bisly(エストニア):省エネを低コストで実現するスマートビルソリューションを提供
- FLYING WHALES(フランス):環境への負荷を最小限とし、飛行船で特大の重量貨物の空輸を可能にするソリューションの提供
- SolarDuck BV.(オランダ):浮体式洋上太陽光発電設備の提供。2021年4月に本格的な実証機を設置し、送電網にエネルギーの供給を開始
- Solarstone(エストニア):屋根などの建築資材と一体となった太陽電池の設計・開発・製造。美観と資源効率の高さ、低コストの実現に加え、導入者向けにエネルギー利用状況の確認、導入計画をサポートするソフトウェアを提供
- TWAICE Technologies(ドイツ):バッテリーの運用効率を向上させる、バッテリー分析プラットフォームを開発・提供
- Ynsect(フランス):自然昆虫タンパク質を栄養価の高い食材へ転換する技術、および肥料・飼料を生産する技術の提供
社会課題テーマ2:労働力減少への対応・生産性向上
- Bioservo Technologies(スウェーデン):手に特化したパワースーツを開発。スマートアシスト機能により、特定のユーザーの使用方法を学習し、握力を強化することが可能
- BYSTAMP(フランス):電子フィジカルスタンプを開発。独自のAI技術を搭載して電子署名の解析・認証を瞬時に行うほか、ブロックチェーン技術を活用して、電子署名の偽装や二重利用を判別・防止
- MAGMENT(ドイツ):セメントと磁性粒子から作られた磁化可能なコンクリートを使用した、ワイヤレス誘導式充電インフラを開発
- Valkyrie Industries(英国):EMS(電気的筋肉刺激)とVRを利用して、重さや負荷、疲労などの感覚を仮想体験可能なウェアラブルデバイスを開発
社会課題テーマ3:都市・地域のバランスのとれた成長
- 3D CityScapes(カナダ):都市・不動産開発業者向けの、ビジュアルクオリティの高い1-1スケールのデジタルツイン技術を開発
- Autofleet(イスラエル):車両・運送事業者向けのフリートマネジメント・プラットフォームを提供。運用の最適化や、新規サービスのシミュレーションが可能
- Ridecell(米国):カーシェアリングやデジタルタッチレスレンタルなど、新サービスの立ち上げを可能にするフリートマネジメント・プラットフォームを開発。フリートの監視のほか、問題解決などのワークフローの自動化を実現
- Sharper Shape(米国):インフラの検査などに使用可能な、AIを用いた統合インテリジェンス・プラットフォームを開発。インフラの安全性と信頼性の向上を実現