米国ではSaaS費用のうち約30%が無駄に
この数年で、ITツールの導入数は大きく伸びています。一番の要因は、新型コロナウイルスの影響です。出社できなくなった社員の業務を補うために、ITツールを取り入れる企業が増加しました。
一方で、コストをかけてツールを導入したものの業務内容に合わず持て余してしまったり、使いにくくて利用しなくなったりといった問題も起きています。
これによって発生する無駄なコストを我々は「ITロス」と呼んでいます。
新型コロナウイルス感染拡大前の調査ですが、「ITロス」の実態を示す興味深い調査として、米国のCleanshelf社が2019年に発表した『The State of Business SaaS Spend 2019』のデータを一部抜粋してご紹介します。
これによると、SaaSに代表されるITツールへの投資額自体は、2018年は年間約1,130万ドルであったのが、2019年には約1,510万ドルと約30%も増加していることがわかります。一方、利用者への調査によると、2019年の投資額の29%にあたる435万ドルは「無駄な投資だった」と回答したことがわかりました。
この調査から、無駄な投資が発生した原因は大きく分けて3つあることがわかりました。
- ライセンスを過剰に購入してしまった(47%)
- 導入済みのツールと同様の機能をもつサービスを導入してしまった(28%)
- 必要以上に高額なプランを契約してしまった(25%)
ITリテラシーが高いといわれている米国でさえ、これだけのITロスが発生しています。では、急なリモートワークへの対応として“やむなく”ITツールを導入した企業が多い日本ではどうでしょうか。