進学塾の意思決定プロセスから学ぶべきポイント
1:変化が明確な要因を優先的に考える
この事例では、ターゲットとなる生徒数の減少というデータを正確に捉えて、まず売上高の減少を予測して、次に減少に歯止めをかける施策案を作成し、評価し、最終的に、実行計画を策定しました。例えば、顧客としては生徒だが、お金を支払うのは親なので親の年収を優先して考えたら分析作業は膨大になります。まず現状の生徒の親の年収データを収集し、次にこれから10年先、生徒の親の年収がどのように変化するかを予測する必要があります。10年先、生徒の親の年収を予測するのは可能ですが、予測値のぶれ幅が大きくなり不確実な要因となります。そのような場合は、数値として明確になっている要因と売上高との法則性を分析するのが重要です。
2:戦略の意思決定プロセスを考えたデータ分析と資料作成
このコンサルティング事例のゴールは、売上高を改善するのではなく、改善の戦略を策定することです。そのために、市場環境と売上高の法則性(関連性)を分析しました。このような案件は社内業務として頻繁にあり、経営会議で使う資料の作成を依頼される方も多いでしょう。重要なのは誰が意思決定するかという視点で、データ分析して、資料を作成することです。ポイントは、「どんな変化が起き、市場がどう変化し、売上高が将来どうなるか、売上高を上げるために何をするか」を明確にすることです。