丸紅、丸紅フォレストリンクス、講談社、集英社、小学館の5社は、日本の出版流通をDXによりサステナブルなものに改革することを目指して、新会社「PubteX(パブテックス)」を3月11日に設立した。
PubteXは、以下の2つの事業に注力し、出版業界のデータ整備・活用強化に貢献していくという。
AIなどの技術を活用した出版物の発行・配本最適化ソリューション事業
AIなどの技術を活用して、出版物の発行・配本量を最適化するサービス(AI発行・配本最適化サービス)を出版社に提供することで、返本率の低減を目指す。また、出版業界で活用されているデータを縦断的・横断的かつ統合的に活用するほか、タイトルごとに異なる販売特性にフィットしたAIモデルを活用して、継続的に進化させていくことより、業界サプライチェーン全体の効率化を図るとしている。
AI発行・配本最適化サービスを支えるシステム基盤としては、o9 Solutions(オーナイン・ソリューションズ)の「o9 Digital Brain platform」を活用。2023年4月より、段階的に開始することを目標としているという。
RFID(radio frequency identifier)ソリューション事業
ICタグを出版物に装着し、記録された各種データを用いて、在庫や販売条件の管理、棚卸の効率化や売り場における書籍推奨サービス、万引き防止に至るまでの各種サービスを運営。書店のオペレーション・経営改善を中心に、出版流通の課題解決支援を行うという。同事業は、2023年7月より開始することを目標としている。
また、出版流通の改革に効果が期待されるRFIDの普及を目指し、その機能およびサービスを研究・公開する場として、PubteX社内にRFIDショールーム(ラボ)を2022年夏を目指して開設。業界全体に理解を深めてもらうための活動を行う予定だとしている。