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3つの思考法で高める「創造力養成講座」

3つの思考法で高める「創造力養成講座」統合思考・後編──イノベーション・スパイラルとは何か?

第2回

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 前回は「統合思考・前編」として、「様々な課題を一気に解決する方法」を見てきた。今回は「統合思考・後編」として、統合思考の中でも特に効果的な「トレードオフの課題やニーズを見極めてこれを統合して解決する方法」を見ていく。トレードオフに着目することは、創造的な考え方をする上で極めて重要になってくるので、ぜひ、マスターしていただければと思う。

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トレードオフの課題やニーズは「創造」の宝庫

 前回、告知したとおり、統合思考の中でも強力な効果がある「トレードオフの課題やニーズ」の解決法を紹介する。ただ通常、トレードオフの課題やニーズは嫌われる。なぜなら、それは究極にややこしい問題を引き起こすからだ。ロジカルシンキングを重んじるコンサルティングファームでは、トレードオフの課題に直面すると、両者のメリットデメリットを比較してどちらか一方を選ぶ。しかし、イノベーターやクリエイターは、三度の飯よりトレードオフの課題を同時に解決することに取り憑かれている。

 それはなぜか。理由は簡単だ。トレードオフの課題を解決できると、大きな価値を社会に生み出し、新たなビジネスやマーケットを生み出すことができるからだ。

 ではなぜ、トレードオフの課題を解決できると、大きな価値を生み出すことができるのか。それは多くの場合、トレードオフの課題は、人々が無意識に解決することを諦めているからだ。まだ誰も解決していない、いや、もはや無意識のうちに諦めてしまい、課題とすら認識されていないのだ。こうしたまだ誰も解決していない課題を解決することが新たな価値を生み出すことになる。

 そう、トレードオフの課題やニーズは、「創造」の宝庫なのだ。今回は、このトレードオフの課題やニーズの見つけ方と解き方について見ていこう。

トレードオフの課題やニーズを解決したプロダクトが持つ「イノベーション・スパイラル」

 ここではまず、具体的なイメージを持っていただくために、トレードオフのニーズを解決したとされる2つのプロダクトの例を紹介したい。

ウォークマンの例

 ソニーのウォークマンは、イノベーションの事例としてよく紹介される。これをニーズという観点で捉えると、「移動したい」というニーズと「音楽を聴きたい」というトレードオフのニーズを解決したことが大きな要因だったと考えられている。

 当時はまだ、音楽をカセットテープなどで特定の場所で聴くということが常識だったため、移動しながら音楽を聴くことは、人々が無意識に諦めているニーズだったのだ。

統合思考の「トレードオフの課題やニーズ」(ウォークマンの例)

iPodの例

 そのウォークマンにとって変わったのがiPodだ。iPodは、ポケットに入る小さなプレイヤーで数多くの曲を聴くことができる。これは、移動する際に持ち運べる「小さいプレイヤー」と「多くの曲を聴く」というトレードオフのニーズを解決したものだ。

 当時はまだ、一つのディスクで十数曲程度しか音楽を聴けなかったため、たくさんの音楽を聴くためには、多くのディスクを持ち運んでいた。その状況の中で、ディスクを持ち運ぶ必要性をなくし、多くの音楽を小さなプレイヤー一つで聴くことを実現したのがiPodだったのだ。

統合思考の「トレードオフの課題やニーズ」(iPodの例)

 さて、ここまで紹介したウォークマンとiPodの例をよく考察すると、イノベーションとは、トレードオフのニーズを解決してきた歴史であると言えるのではないだろうか。

 当時、ウォークマンは、「移動したい」と「音楽を聴きたい」というトレードオフのニーズを解決した。その結果、「移動しながら音楽を聴く」という体験はスタンダードになった。しかし、そこでは、ディスクを持ち運ぶ以上、聴ける音楽の数には自然と限界があった。そこで登場したのが、iPodだ。iPodは、たくさんの曲を聞くことができるようになったので、「移動しながら音楽を聴く」と「多くの曲を聴く」というトレードオフのニーズを解決したのだ。

 このように、トレードオフのニーズを解決することでイノベーションが起き、そして、そこからさらに、トレードオフのニーズを取り込み次なるイノベーションが起きる。この連鎖がイノベーションの歴史であるといえ、「イノベーション・スパイラル」と呼んでいる。

イノベーション・スパイラル

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トレードオフの課題やニーズを発見する2つのアプローチ

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この記事の著者

永井 翔吾(ナガイ ショウゴ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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