西松建設は、DXに関する取り組みを強化するため、西松DXビジョンを策定し、DX組織・体制などについての方針を発表した。
同ビジョンは、「現場力がシンカしたスマート現場」「仮想と現実が融合した一人ひとりが活躍できるワークスタイル」「エコシステムで新しいサービスや空間を創り出すビジネス」として、現場、ワークスタイル、ビジネスの3つの空間をデジタルでイノベーションするというもの。
同ビジョンの達成に向け、同社はDX推進に関する戦略立案から実行、推進までを担う独立組織として、「DX戦略室」を設置する。配下には「DX企画部」「ICTシステム部」を設け、DX施策における効果・進捗に関する持続的な推進・管理を行うという。
また、DX戦略や推進について、全社的な視点で協議し評価する諮問機関として、社長を委員長とするDX推進委員会を設置。全社横断で、DX施策に関する協議やモニタリングを実施するという。
加えて、DX施策の実行の観点から、DXのテーマごとにDX部門および事業部門からメンバーを集めて、「DXプロジェクト推進チーム」を組成。「DXリーダー」を育成・配置するとともに、DXプロデューサー、データ活用担当者、デジタル技術担当者と協働し、事業部門と連携しながら一体的にプロジェクトを進行する体制を確立するという。
DX施策の具体的な実施にあたっては、協力会社や外部ベンダーとパートナーシップ関係を構築し、協業を進める。計画からリリースまでのサイクルを素早く回し、繰り返すアジャイルの体制を敷くことで、DXプロジェクトのバージョンアップを図るとしている。
なお、DXシステム基盤については、DXテーマごとに目的実現に必要な機能を整備・拡充し、中核となる仕組みを構築。データ活用基盤を中心に、各々の仕組みのデータを相互に連携してデータ活用を促進するとともに、DX施策の状況を分析・可視化していくという。また個別システムは、機能ごとにマイクロ化し、データ活用基盤をHUBとしてデータ流通を整備することで、事業の変化に追従してシステムの入れ替えが可能な、柔軟なシステムを目指すとしている。
最後に同社は、DX施策を推進する上で、情報セキュリティに関する取り組みを改善し、セキュリティ強化を継続的に進めると述べている。情報漏えいなどによる損失および社会的信用の失墜を防ぐとともに、従業員らが安心して勤務できる環境を実現するとしている。