カゴメと日本電気(NEC)は、AIを活用して加工用トマトの営農支援を行う合弁会社「DXAS Agricultural Technology(ディクサス アグリカルチュラル テクノロジー)」を、7月にポルトガルに設立する予定だと発表した。
両社は、2015年よりAIを活用した営農アドバイスの技術開発や事業検証に着手し、ポルトガル、スペイン、オーストラリア、アメリカで実証試験を重ね、現在では7ヵ国で事業を展開。2020年4月には、両社は戦略的パートナーシップ契約を締結し、カゴメ内に新設されたトップ直轄組織「スマートアグリ事業部」を中心に、NECの農業ICTプラットフォーム「CropScope(クロップスコープ)」を使い、営農アドバイスの機能・品質の向上を図るとともに、営農支援事業のマーケティングと将来の可能性を研究してきたという。
今回設立される合弁会社では、蓄積してきたAI技術から新たな価値の創出、サービス強化を加速。今後の取り組みとしては、AIと灌漑設備などとの連携により営農作業を効率化し、トマト加工会社および生産者の負荷軽減に貢献するという。また、作物生育に重要となる土づくりから収穫までの栽培手法を改善することで、環境に優しく収益性の高い営農支援サービスの提供を目指すとしている。
なお、同合弁会社はサービス提供体制を強化。アグロノミーの知識や経験を持つ要員がユーザーの農業現場を理解し、最適なサービスの提案やテクノロジーの適用を支援する体制を世界各国で整備するという。また、農業業界におけるパートナーシップも強化し、事業展開の加速を図っていくとしている。