富士通とセールスフォース・ジャパン(Salesforce Japan)は、ヘルスケア領域における新たなソリューション創出に向けた協業に合意した。
富士通の医療や健康データを取り扱うノウハウおよびコンピューティング技術と、Salesforceの強みであるCRM(顧客関係管理)の実績とノウハウを活かすという。
協業の第1弾として、両社は保険会社向けデジタルソリューションの提供に向けた共同開発に取り組む。同ソリューションは、保険会社や医療機関の協力の下、医療や健康情報からAIが予測した疾病の可能性などのデータをもとに、個人ごとの疾病のリスク評価を最適化した保険商品の開発を支援するもの。2023年度の実用化を目指すとしている。
同ソリューションの提供を通じて、保険会社の新たな商品モデルの確立を支援し、パーソナライズ化された保険商品の普及に寄与するという。
両社の役割は下記のとおり。
富士通
医療機関などと連携し、電子カルテ上の医療データを本人同意に基づき活用可能にする仕組みの実現。また、高度なコンピューティング技術やAIなどのソフトウェア技術を、誰もが利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」を活用し、特定疾病の予兆を検知する独自分析、およびパーソナライズ化されたヘルスケアサービスの開発。
Salesforce Japan
患者の医療データを包括的に統合し、一元管理して分析することで、ぺイシェントジャーニーを可視化。パーソナライズした医療体験を提供する、患者中心のDXを実現する製品群を活用。医療業界に特化したCRM「Health Cloud」、外部データの統合を担う「MuleSoft」、患者データの分析を担う「Tableau」など。
第1弾の取り組み概要
保険会社や医療機関から提供された医療・健康データをもとに、AIにより個人の疾病リスクなどを予測し、最適化された保険商品開発を支援するソリューションの実現および保険業務全体のビジネスプロセスの最適化を目指して開発を開始する。
これにより、保険会社は加入希望者に最適な保険商品を提供できるほか、予防から診断、治療、予後までをトータルでカバーした新しい保険モデルを創出。また、新たな保険商品の開発期間の短縮やシステム構築投資の適正化が可能になるという。