Gartnerは、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」を発表した。このハイプ・サイクルで取り上げられた注目すべき25の先進テクノロジは、「イマーシブ・エクスペリエンスの進化と拡大」「人工知能(AI)自動化の加速」「テクノロジストによるデリバリの最適化」の3つのテーマに分類されている。
「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は、数あるハイプ・サイクルの中でも独特のもので、毎年2,000を超えるテクノロジや適用済みフレームワークから主要な知見を抽出し、押さえておくべき先進的なテクノロジとトレンドを簡潔にまとめている。これらの先進的なテクノロジとトレンドは、今後2~10年にわたって高度な競争優位性をもたらす可能性を秘めているという(図1参照)。
このハイプ・サイクルでは、25の先進テクノロジを以下の3つのテーマで分類し説明している。
イマーシブ・エクスペリエンスの進化と拡大
先進テクノロジの組み合わせにより、これからのデジタル・エクスペリエンスは、さらなる没入型のエクスペリエンスへと進化し、顧客や人は、より新しい体験をするようになる。個人は自身のアイデンティティとデータをコントロールし、デジタル通貨との統合が可能なバーチャルなエコシステムを体験できるようになる。また、企業は、新たな方法で顧客にリーチし、収益源を強化または新規開拓するようになる。
イマーシブ・エクスペリエンスの進化/拡大を実現する注目すべきテクノロジ
- メタバース
- NFT(非代替性トークン)
- スーパーアプリ
- Web3
- 分散型アイデンティティ
- デジタル・ヒューマン
- 顧客のデジタル・ツイン
- インターナル・タレント・マーケットプレース
人工知能(AI)自動化の加速
AIは、プロダクト、サービス、ソリューションに欠かせない要素として拡大しているが、開発の側面では、AIモデルの開発、トレーニング、デプロイの自動化と、そこで適用可能な専門AIモデルの作成が加速している。AI自動化に関するテクノロジは、AI開発における人間の役割に改めて目を向けさせることになり、結果として、予測/意思決定の精度向上や、期待される成果実現までの時間短縮をもたらす。
AI自動化の加速をサポートするテクノロジ
- オートノミック・システム
- コーザルAI
- ファウンデーション・モデル
- ジェネレーティブ・デザインAI
- 機械学習コード生成
テクノロジストによるデリバリの最適化
成功するデジタル・ビジネスは、「購入する」ものではなく、「構築する」もの。デリバリの最適化関連テクノロジは、プロダクト/サービス/ソリューションの構築者コミュニティ(フュージョン・チームなど)と、そこで使用されるプラットフォームを重視している。これは、テクノロジストにフィードバックと知見をもたらし、プロダクト/サービス/ソリューションのデリバリを最適化および加速するほか、ビジネス・オペレーションの持続可能性を高めるという。
テクノロジストによるデリバリを最適化する重要なテクノロジ
- 拡張FinOps
- クラウド・データ・エコシステム
- クラウド・サステナビリティ
- コンピュテーショナル・ストレージ
- サイバーセキュリティ・メッシュ・アーキテクチャ
- データ可観測性
- 動的リスク・ガバナンス
- インダストリ・クラウド・プラットフォーム
- 実用最小限のアーキテクチャ(MVA)
- オブザーバビリティ駆動型開発
- オープン・テレメトリ
- プラットフォーム・エンジニアリング