ダイキン工業と京都大学は、研究シーズの社会実装を推進するための「新たな産学連携エコシステムの形成」の取り組みを本格的に始動すると発表した。具体的な取り組みとして、4月に立ち上げた公募制の社会実装・起業活動支援プログラム「ダイキンGAPファンドプログラム」の第1回採択課題が決定。第2回公募を8月23日より開始した。
ダイキンGAPファンドプログラムは、ダイキン工業の経営課題を対象領域として設定し、それに対し社会実装を志す京都大学研究者の発想からの課題に対するアプローチを公募。採択課題に対しては、1件300万円(税抜)を上限に同協定の枠組みから助成し、社会実装に必要な支援をダイキン工業と京都大学が連携して提供するという。
4月に第1回の採択課題の公募を行い、5課題の採択を決定。採択した5課題については8月より1年間の研究が開始されるとしている。
ダイキンGAPファンドプログラムの概要
- 応募内容:社会実装を視野に入れ、研究成果の実用性を検証する、または向上させることを目的とする以下の分野の研究開発を対象とする(対象分野を複数組み合わせる研究開発も対象)
- 分野:
- CO2の回収・固定・再利用
- 省エネ・創エネ・蓄エネによるエネルギーマネジメント
- 冷媒ガスのサーキュラーエコノミーの実現
- 環境保全に貢献する3R(Reduce、Reuse、Recycle)の実現
- 食品廃棄ロス削減、食の安全・安心を実現するコールドチェーンの構築
- 心身の健康や生産性に対する空気・空間の価値の創出
- 地域の特性や課題に着目した、新たな製品・事業モデル
- その他
- 助成内容:
- 採択課題:10件
- 助成金額:1課題につき上限300万円(税抜)
- 研究実施期間:最長1年間
- 応募要件:京都大学に所属している教員、職員、大学院生ならびに京大発ベンチャーで研究活動を行う者(非常勤教職員を含む)
- 応募期間(第2回公募):2022年8月23日~9月21日 17:00
ダイキンGAPファンドプログラム第1回採択課題
- 逆Mars-van Krevelen機構に基づくケミカルルーピングの触媒的駆動を目指したCO2水素化
- GAP磁石へのフェライト磁石側からのアプローチ
- 磁気吸脱着を利用した省エネおよび防汚等の環境問題への挑戦
- 無線給電可能で低メンテナンスコストな㎤級無線センサの大量設置により実現する、省エネかつ快適な住環境の創出
- 空気質の見える化とストリーマ放電のハイブリッド型空気清浄機の構築―アジアe-waste処理地域のダストに注目して