アビームコンサルティングと日本総合研究所(以下、日本総研)は、動的な社会変化や企業のESG活動と企業価値との関係性を定量的に分析することで、「未来のマテリアリティ(重要課題)」を特定し、企業経営への示唆を提言した。
同分析にあたり、日本総研が有する総計8,500個程度の「未来の兆し情報」をデータベースとして、各ESG項目に関する単語の出現量を測定。2015年~2017年と2019年~2021年の2つの時期の変化量を定量的に分析し、その算出結果を基に、将来的に大きな社会変化の潮流になる項目を「社会変化スコア」として予想した。
また、企業のESG活動とPBR(株価純資産倍率)の相関性を明らかにする「俯瞰型分析」を用いることで、どのような社会課題に取り組むことが、PBRに影響を及ぼす可能性が高いかを「俯瞰型スコア」として予想したという。
両社での分析の結果、未来のマテリアリティとして、「健康」「資源利用」「人権」の3つの項目を、社会変化に伴い、今後特に注目が高まるマテリアリティとして導出。各企業が競争優位な企業経営を実現するためには、動的な社会変化、マテリアリティの変化を把握し、社会的な課題を事業機会に変えていくことが、持続的な企業価値向上のポイントになるとしている。