大日本印刷(以下、DNP)と同社グループ会社のDNPエスピーイノベーション(以下、DSI)は、「行動認識AI」をオンサイト(接客現場)におけるBPO(Business Process Outsourcing:業務の委託)サービスに導入すると発表した。
DNPは、2019年からベトナム国家大学ハノイ校と共同で、人の多様な行動や振る舞いを統合的に捉え、人のインサイト(特徴・状態・関心)を推定し把握する行動認識AIの研究を実施。同サービスでは、接客スタッフや来訪者の行動ログから、個々の接客現場に適した状況をつくり出すことで、スタッフのパフォーマンスやエンゲージメントの向上、来訪者の体験価値の向上につなげていくという。
具体的には、特定のエリア内にいる人の行動やしぐさ、振る舞いを認識。カメラで人の骨格を捉え、手の動きや顔の向きのほか、しゃがむなどの身体の姿勢、物を持つなどのしぐさ、滞在時間や移動経路など、人の様々な振る舞いをAIが感知して行動ログを収集・蓄積する。この行動ログを活用して、各売場における課題や変化を分析することで、DNPから派遣するスタッフのパフォーマンスやエンゲージメントを向上させるとしている。
また、個人情報保護の観点から、撮影した売場の映像を骨格情報の数値に置き換えて収集。これを視覚的・直観的に理解しやすい骨格動画に再現することで、売場の状況や課題の可視化につなげるという。
DSIは今後、オンサイトBPO事業におけるAIなどのテクノロジーを活用した現場の可視化を推進し、売場における生活者の体験価値および働き手のモチベーションの向上を実現するとしている。