三井化学と日本IBMは、生産技術系人材のデータサイエンティスト育成プログラムを構築し、2022年度から三井化学の社内研修を本格的に開始した。
三井化学は、同研修を通じて2025年度末までに、化学プラントの複雑な現象に対するデータ解析や、プラントの状態を予測するモデル構築などができる生産技術系データサイエンティストを、国内主要5工場すべてに配置する計画だという。
これを踏まえ、社内での継続的なDX人材育成を推進し、長期経営計画「VISION2030」の基本戦略の1つ「DXを通じた企業変革」を進めていくとしている。また、日本IBMは引き続き、三井化学のデータ解析のサポートやデータ解析以外の、デジタル技術の取得支援などにも取り組んでいくと述べている。
三井化学は、今後の工場エンジニアに求められるスキルを、過去の経験や理論に基づいた限定的な解析だけでなく、様々な機器や生産工程から得られるビッグデータによる、多面的かつ深い解析ができる能力と考えている。そのためのデータ解析には、生産技術に関する知識とデータ解析に関わる能力の両方が必要だとしている。
また、同社は、主要5工場ごとに生産品目や取扱装置・設備が異なるため、各工場に精通したデータサイエンティストを継続的に育成・配置することが必要だと考えているという。
同プログラムの構成は、基礎・応用・データサイエンティスト育成の大きく3段階とし、知識やスキルの保有を評価するほか、「できることベース」でさらにレベルを6段階で定義し、ビジネスの貢献度合いも合わせて評価する。
また、同プログラムの研修・認定は、アルゴリズム、統計・分析、データ倫理、プロジェクトマネジメントなどをOJTとOFF-JTを組み合わせて実施するとしている。
なお、レベル1のデータアナリスト基礎教育は、生産技術系エンジニア全員(約250名)を受講対象とし、既に120名の教育を完了しているという。