大阪ガスと黄桜は、大阪ガスのガスセンシング技術を活用し、日本酒造りの要である「製麹(せいきく)」工程を定量的に評価する手法を共同開発した。
製麹とは、酒造りに使う蒸米全体のうち、20%の蒸米に麹菌を繁殖させ麹をつくる作業。両者は、2017年度から酒造技術の定量化に関する共同研究を開始し、大阪ガスのガスセンシング技術を活用して、黄桜の製造現場での技術検証を重ねた。この検証において、製麹工程中に麹菌から放出されるCO2の微量な変化を定量評価することで、麹の品質を推測する手法の開発に至った。評価結果を活用することで、製麹工程の早い段階から必要な各種作業が実施できるため、最終的に良質な麹を安定的に造ることができるようになるとしている。
また、12月14日より、IoTサービス「D-Fire」に、同手法に関連するセンサや、データ管理用のアプリケーションを搭載し、大阪ガスの子会社であるDaigasエナジーが、黄桜の製麹現場に導入した。これにより、CO2濃度や麹温度などのデータ取得とD-Fire画面でのリアルタイム表示、製麹に関する情報のデジタル化が可能となり、杜氏などの判断の支援や技術継承に貢献するという。