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清水建設、AI活用によりエリア単位で空調装置の運転出力を最適化するクリーン空調制御システムを開発

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 清水建設は、クリーンルームの空調負荷の低減を目的に、AIを活用して、室内に循環させる清浄空気の風量を最適化するクリーン空調制御システムを開発した。

 同システムは、2019年に開発した省エネ型クリーン空調制御システム「クリーンEYE」の制御機構をAI化したもの。センサーが捉えた室内環境の変化に応じて、AIがファンフィルターユニット(以下、FFU)の運転出力をきめ細かく制御し、必要最小限のエネルギーで要求水準を満たす清浄環境を維持する。FFU運転制御のAI化により、室内の清浄化に必要な搬送動力を従来システムと比べて30%削減できる見込みだという。

 開発技術のベースとなるクリーンEYEは、電子デバイス製造装置の組立工場などで求められるISOクリーンクラス6~8の清浄環境に適応したクリーン空調制御システム。制御機構は、クリーンルーム内に滞在する作業者を検知する画像型人感センサー、室内の粒子濃度を検知するパーティクルセンサー、センサーの検知データを基にFFUの出力調整を行う制御装置から構成され、センサーが検知した在室者・粒子濃度データを基に、FFUの運転台数・運転出力を自動制御する。

 新たに開発したAI空調制御システムでは、クリーンEYEの空調制御機構に深層強化学習機能を付加することで、エリア単位での最適な空調制御を実現。具体的には、AIが室内環境データからエリア単位(概ね1スパン単位)で清浄度の過不足を推定し、FFUの運転出力を状況に即してきめ細かく調整することで、空調負荷を抑制するとしている。

システムのイメージ<br/>[画像クリックで拡大表示]
システムのイメージ
[画像クリックで拡大表示]

 AIの深層強化学習においては、CFD(数値流体力学)解析技術を活用して実運用が始まる前に訓練用データを作成し、仮想空間上で事前学習を重ねられる学習環境を構築。これにより、通常は、学習開始から収束まで半年程度を要する学習期間を2ヵ月程度に短縮し、AIによる空調制御機構の早期実装を可能にしているという。

 同社は今後、新たなAI空調制御システムをクリーンルーム施設の新設・改修計画に展開し、カーボンニュートラル社会の実現に寄与するとしている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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