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モノが買えない時代の「サプライチェーン優先経営」

日本企業の歴史的転換点を捉える──経営層・調達部門が知るべき「サプライチェーン優先経営」の実践課題

【第4回】

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自動車業界の業績対比 “増収増益”実現の米企業

 次は自動車業界の代表的な企業として、トヨタ自動車とテスラを対比してみる。トヨタ自動車の2022年度第2四半期の決算は、営業収益が17兆7,093億円(前年同期比2兆2,280億円増)と過去最高にもかかわらず、純利益は1兆1,710億円(前年同期比3,534億円減)となっており、“増収減益”の状況である。要因としては、資材高騰などによる7,650億円の減益に加え、半導体などの供給不足により当初計画の生産台数970万台を920万台に引き下げざるを得なくなるなど、供給不足が足元の業績悪化をもたらしている状況だ。

 一方、テスラの2022年7~9月期の決算は、売上が前年比1.5倍の214億5,400万ドルと過去最高を更新。対照的なのは、テスラは純利益も前年の2倍にあたる32億9,200万ドルとなっており、“増収増益”になっている点だ。また、世界全体の販売台数は34万3,830台と、半導体不足でありながら、前年同期の約1.4倍に増加している。同社は、原材料の高騰分を価格に転嫁することもできていると発表している。

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野町 直弘(ノマチ ナオヒロ)

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