大阪ガスとイオンアグリ創造は、大阪ガスが開発した農作物の収穫量を予測する新手法を用い、イオンアグリ創造の千葉県と島根県のイチゴ農場において実証実験を開始した。
同手法は、日射量・CO2濃度・湿度などから光合成量を算出する「光合成モデル」と、光合成量・樹齢などから収穫量を予測する「AIモデル」を組み合わせたもの。AIを活用した農作物の収穫量予測は従来からあったが、新手法では農作物の生育のもととなる光合成量を予測するモデルと組み合わせることで、高い予測精度と汎用性を実現するという。
実証実験では、2月28日から6月頃の間、千葉県の柏農場と島根県の安来農場における翌日から10日先までのイチゴの収穫量を予測し、予測結果を参考にした収穫と出荷を通じて、同手法の有用性評価を行う。また、同手法の改良も進める予定で、トマトなどの他の農産物の収穫量予測に展開することも目指すとしている。
同手法が実用化されることで、各種の農作物出荷量の最適化や流通の安定性、フードロスの削減や効率的な作業人員の配置が実現。また、ビニールハウスなどの施設栽培においては、生育予測に基づき、日射量やCO2濃度などの生育環境を制御することで、収穫量や品質の安定化にも貢献できるという。
また、農林水産省が推進する「有機農業」においては、生育状況の予測による価格・品質・生産量の安定化に、「新規就農」においても経験が少ない農業従事者の支援に貢献できるとしている。