東京ガスは、水電解装置の低コスト化に向けて、触媒探索技術を有する米スタートアップ企業H2Uテクノロジーズ(以下、H2U)と、共同開発契約を締結した。
脱炭素社会の実現に向け、世界中で水電解装置の開発が進んでおり、その方式の一つであるPEM水電解方式は、電極に非常に高価かつ供給量が限定的なレアメタルの一種であるイリジウムを使用。そのため、イリジウムの代替として、安価でレアメタルを用いない新規触媒の開発が急務となっているという。
H2Uが有する触媒探索エンジン(以下、CDE)は、高速で水電解触媒を合成し、反応活性を評価できる触媒探索技術。例えば、従来方式の合成・評価時間は、1個の触媒サンプルあたり3~4日必要だったが、CDEを用いることで10分程度で実施することが可能に。同開発は、CDEとAIを活用することで、最適な触媒材料を効率的かつ迅速に探索するとしている。
東京ガスは、同開発を通じ、低コストで高性能な非イリジウム触媒を開発することで、安価な水素製造コストの早期達成を目指す。なお、水素の用途としては、直接の利活用やe-methane(e-メタン)の原料としての活用を想定しているという。