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大前研一氏が語る、低欲望社会に「尖った人材、異才」を輩出するしくみ

ビジネス・ブレークスルー大学大学院開学10周年記念講演レポート

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 「現在の日本は低欲望社会である」そう大前研一氏は語る。大前氏は世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍し、ビジネス・ブレークスルー大学(以下、BBT大学)の学長を務めている。危機的状況にある日本社会において「尖った人材、異才であれ!」と教育改革を力説する本講演から、経営者にとって必要な要素をお伝えする。

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「教育改革」で稼ぐ力を身につけた尖った人材を輩出する

 我々は、家を建てたい、車を持ちたいという欲望がない。結婚もしようとしない社会。欲しい、良くなりたいと望むことが遠ざけられるような「低欲望社会」に暮らしているという。
 低欲望社会の到来にとどまらず、人口減少による少子高齢化が声高に叫ばれ、出生率の低下による労働力人口の減少やハイパーインフレ化はもはや避けることができない事態である。
 そんな危機的状況にさらされている我々はどうすれば良いのだろうか。

この低欲望社会というのは、都合のいい社会なんです。みなの欲望が低い中で自らが尖って、自分が上昇志向を持ってやると非常に抜きん出る確率が高い、そういう社会なんです。私はこういった人材を輩出するために教育を続けてきました。

 低欲望社会に暮らす我々が稼ぐ力を身につけるためには教育改革が必要だと大前氏は力説する。

 20世紀における経営の要諦は、「人<金<モノ」であった。
 しかし21世紀になるとそれは、「人>金、モノ」へと大きく様変わりしてきている。もはや金は経営のボトルネックにはならずに、むしろコモディティ化してしまった現代社会において、人がいるからこそお金は集まってくるという。
 情報化社会を迎えた21世紀はいわゆる「知的社会」であり、自分でものを考えて疑問を持ち、答えを見つける。答えがないところで正しい質問をして答えを見つけることができる力が求められる。つまりは自らが尖って、事業機会や経営手法のあり方を見つけることができるイニシアチブを持った人間が勝ち組に入ってくるのだ。
 偏差値教育が徹底され、どこかに回答があるような20世紀の教育からの転換が求められている。では、21世紀の経営者には何が必要不可欠となるのだろうか。

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