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スティーブ・ブランク氏が語る、顧客開発モデル

来日講演レポート・前編「事業創造3つのポイント」

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1:新たな企業戦略の考え方

スティーブ・ブランク氏セミナーレポート 画像図表1:かつて重視された戦略は、もはや通用しない

 まず企業戦略について、ブランク氏は、いくつかの例とともに既存のリーダー企業と新たな破壊者の対比を行った。

 モバイルクレジットは、ビザ、マスターなどのカード会社でなく、スクエア(Square)などベンチャー企業が革新を起こした。電気自動車は、ビッグスリーでなく、テスラ(TESLA)など新興企業が先んじた。スマートフォンは、ノキアのような携帯電話機のトップ企業ではなく、新規参入のアップルが市場を創った。ソーシャルな個人間の宿泊提供は、大手ホテル会社でなくスタートアップのエアB&B(airBnB)が成功させた。つまり、「リーダー企業はイノベーターではなく、新しく外部から参入する企業がよりイノベーションが速い。そして、リーダー企業は、長期的には存在が危うい」(ブランク氏)と語った。

 そして、この問題は米国だけでなく、パナソニックやソニーなど日本を含む世界のリーダー企業にもみられるチャレンジであり、「これは日米の大企業が愚かだからじゃない。イノベーションを起こすプロセスがないからだ」とブランク氏は指摘する。

 かつて重要だったことにとらわれていては、イノベーションを推進するどころか、新たなイノベーターにやられてしまう。

 「かつてはコスト低減に注力したが、これからはイノベーションが大切だ。消えゆく市場のシェアをとるのは意味がなく、市場を創ることが求められる。競争相手に勝つことばかりに注目するのでなく、イノベーションの創造に力を入れるべき。30から40年もそのまま続く父親の代からの市場など期待できず、市場は激変を繰り返すと認識すべきだ。そして、かつて顧客はベストな機能を選んで買うと信じられ、他社と比べて勝る多くの機能を盛り込もうと努めたが、いまの顧客はそんなことは気にせず、顧客の問題を解決することが求められる」とブランク氏は、時代の変化を示す。

 このようにブランク氏は、「新たな企業戦略の考え方」について、かつて重視された戦略はもはや通用しないと、イノベーションを軸としたパラダイム転換の要点をまとめた。

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2:社内でイノベーション起こす方法

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この記事の著者

本荘 修二(ホンジョウ シュウジ)

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