ヤマト運輸とWismettacフーズは、戦略的イノベーション創造プログラム(以下、SIP)において、国内外で流通する荷物の位置情報や温度推移などの輸送関連情報をリアルタイムに可視化する「トレーサビリティプラットフォーム」を活用した、農産品を輸出する実証実験を実施した。
同プラットフォームでは、IoTデバイスや電子タグを利用し、国内外における複数ユーザーの荷物の位置情報や温度推移をリアルタイムに確認できる。また、顧客自身で輸送計画を事前に登録でき、配送完了まで一連のオペレーション管理が可能。輸送時に温度やセキュリティなどの異常を検知した場合には、アラートを発出するため、速やかな対処が可能だとしている。
同実証実験では、日本から米国・シンガポール・香港・タイ・台湾に、メロン・サツマイモ・イチゴ・リンゴなどをマルチモーダル輸送(陸・海・空)した。リアルタイムに輸送中の温度や衝撃、位置情報などの関連情報を可視化・把握することで、温度などによる農産品の変色の未然防止や、食べ頃を考慮した輸送経路や時期の調整など、新たな付加価値を提供できることが実証されたという。
両社は今後、同実証実験の結果を踏まえ、日本における農産品の高付加価値化と輸出力強化に貢献する。また、SIPのスマートフードチェーンコンソーシアムが推進する、フードチェーンにおける様々なデータを連携するプラットフォーム「Ukabis」との連携も検討していくとしている。