三菱電機は、運転中のわき見や居眠りを検知する「ドライバーモニタリングシステム」(以下、DMS)のカメラを用いて、脈拍や血圧の変化などの生体情報を非接触で推定し、ドライバーの意識消失などの体調異常を検知する技術を開発した。
体調異常を検知する技術として、DMSのカメラ映像から体調異常時の姿勢崩れを検知する技術がある一方、運転姿勢を保ったまま意識を消失するなどの姿勢崩れを伴わない場合があり、その対策が課題になっていたという同社。
そこで今回、心疾患・てんかん・脳血管疾患で生じる「脈拍間隔の変化」や「血圧の変化」などの生体情報の特徴的変化に着目。AIの活用により、DMSのカメラ映像から非接触でドライバーの生体情報(脈拍数、脈拍間隔、脈の強弱、血圧の変化)を推定して、その生体情報の変化から、姿勢崩れが伴わない場合でも体調異常を検知する技術を開発した。
これにより、体調異常発生による姿勢崩れの前に生体情報が変化した場合、体調異常を早期検知することで、事故回避行動の早期実施が期待できるという。
三菱電機は、同技術により、体調異常を検知した場合は、車両安全システムが路肩への停車を行うなど、死亡や重傷リスクの高い事故の予防につなげることで、安心・安全な社会の実現に貢献するとしている。