ビービットは、SOMPOケアがデジタル接点の成果創出ソリューション「UXグロースOps」を導入し、SOMPOケアが提供する在宅ケア支援アプリ「ケアエール」のUXグロース活動を開始したことを発表した。
SOMPOケアの新規事業「ケアエール」
高齢社会を迎えている日本では、高齢者やその周りの人々が自分らしく生きることができるウェルビーイングな社会づくりが求められている。政府が掲げる新しい社会Society5.0に向けた施策の1つとしても、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるためのサポート体制「地域包括ケアシステム」の構築が推進されているという。
SOMPOケアが新規事業として2022年4月にリリースした在宅支援アプリ「ケアエール」は、ケアが必要な本人を中心にした、家族や友人、担当のケアマネジャーや医師などの関係者を含めたコミュニケーションプラットフォーム。本人の体調や心情、生活の様子などを、動画や音声を活用しながら共有できるという。
ユーザ行動がわからず、サービス提供者側の目線に偏った改善施策に
ビービットは、高いデザイン性を持つ「ケアエール」だが、より多くのユーザに日常的に使ってもらうためには、リリース後も継続してユーザ体験の改善を続けること(UXグロース)が必要不可欠だと述べている。
これまでの改善活動では、定量的なアクセス解析ツールによる分析や、自社で使用者へのインタビューを実施していたが、それではユーザの実際の状況や行動の把握ができず、十分な仮説検証ができない状況であったという。その結果、ユーザではなくサービス提供者側の目線での施策に偏りがちだったとしている。
UXのプロによる伴走支援で、再現性のある業務構築を支援
そうした課題を解決するため、ユーザ一人ひとりの実際の行動データをもとに専門家の伴走支援を受けながら、スピーディかつ効果的にサービス体験を改善することができる「UXグロースOps」の導入が決定されたとしている。
UXグロースOpsは、UX改善によって企業のデジタルサービス(アプリやWebサイトなど)の利用継続率を向上させ、LTV最大化を実現する業務支援サービス。UXグロース活動の全プロセスの伴走から定期的なレポーティングまで、UXのプロフェッショナルによる支援メニューを用意しているという。
今回ビービットは、継続的な成果創出を目的に「ケアエール」のユーザ体験に関する具体的な提案を行いながら、SOMPOケアが自社でUXグロースのPDCAを回せるようナレッジ蓄積の支援をしていると述べている。
今回の支援内容
- ユーザ分析・施策立案の伴走支援:複数の改善テーマを設定し、月1回ほどのペースでUXのプロフェッショナルが課題分析し具体的な改善策を提案
- UXグロース業務のナレッジ蓄積支援:伴走支援およびレクチャーを通じて、SOMPOケア内のUXグローススキル向上・業務定着を支援
- 「USERGRAM(ユーザグラム)」の導入・運用支援:ビービットが提供するユーザ行動を計測・分析するクラウドサービス「USERGRAM」を導入し、一人ひとりのアプリユーザの行動データの可視化を実現
UX向上によりデータを蓄積し、ユーザ価値に還元
SOMPOケアは、「ケアエール」を通じて在宅ケアの生活情報などをデータとして蓄積しながら、サービス体験改善に還元していこうとしている。
「ケアエール」を地域包括ケアシステムの支援サービスとして進化させるため、スマートシティ関連サービスとの連携が開始され、その一歩として2022年より会津若松市でデジタル防災システムとの連携がスタート。また、5月には介護事業所向けの有償版サービス「ケアエールPRO」が提供開始となり、同サービスに関しても引き続きビービットがUXグロース支援を行うと述べている。