ビービットは、最新レポート『ChatGPT・生成AIから始めない、AI時代の生存戦略と組織的準備』を公開した。

　同レポートでは、顧客向けサービスへの生成AI活用の必要性を感じつつも、様々な理由から検討開始できずにいる事業組織の責任者・マネージャ層に向けて、生成AI導入前に実施すべき準備について解説しているという。

事業組織が抱える「生成AI導入」のジレンマ

　生成AIのコンテンツ生成力を顧客向けサービスへ活用し始めた先行企業によって、既存の業界・ビジネスモデルの破壊（ディスラプション）がじわじわと進行している。

　ビービットは現在、生成AIの誕生を顧客体験における大きな変化と捉え、企業としての対応の必要性を様々な場で発信しているという。実際の活用検討の支援の機会が増え、エンタープライズ企業の事業責任者たちとの議論を進めている中で、以下のようないくつかの共通課題が見えてきたとしている。

• 生成AIの全社活用ルールの整備が完了していないため、詳細が決まるまで活用検討ができない
• 生成AI活用検討のプロジェクトチームが立ち上がっているが、チームにアサインされておらず積極的な検討が進められない
• 既存事業の企画・運用で忙しく、AI技術のキャッチアップや新しい企画の検討を行う時間がない
• AIなどのデジタル技術に対する苦手意識があり、詳しいメンバーも社内におらず検討開始に二の足を踏んでいる

　こうした状況にある人々に対して、同レポートでは「今すぐ生成AI導入を進められなくても、生成AI時代の準備・対応として開始できることは十分にある」と訴えているという。

生成AI導入後を見据え、今から準備すべきこととは

　現在、これまで人間が手がけていた各種コンテンツの作成が、生成AIによって代替可能になりつつある。しかし現時点では、生成AIが自身のアウトプットの品質を自ら判断・評価することはできない。この品質をいかに組織的に高め続けることができるかが、顧客に選ばれ続けるサービスにするための重要なポイントになるという。

　同レポートでは、この「品質」をUXの視点から分析し、組織的に継続的な品質向上を実現するために、生成AI導入前のフェーズで準備すべきことを提案。この準備を事前に実施することで、後発で生成AI導入を開始したとしてもサービスの競争力を高め続けることが可能になると述べている。