SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

Biz/Zineニュース

Unipos、「人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)」を無償提供へ 情報開示にも活用可能

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

 Uniposは、経営戦略と人事戦略を紐づけた本質的な人的資本経営を実現するための「人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)」を無償提供すると発表した。

 同フレームワークは、Uniposの代表取締役社長CEOである田中弦氏が考案し、2023年1月から累計4,000人以上が参加した同社主催セミナーにて公開してきたもの。既に一部の企業では決算説明資料などで活用されているが、より多くの企業が参考にできるよう広く公開することにしたと述べている。

 Uniposは、人的資本「開示」にばかり注目が集まり、本質的な人的資本経営の議論のポイントがわかりづらくなっているという声を耳にしているとした上で、同社として考える人的資本経営の重要なポイントを下記2点だとしている。

  1. 人的資本とは従業員個人が所有するものであり、人的資本経営とは「個人の持つ人的資本を十分に発揮するための土台を再構築し、組織的人的資本※を創出する経営」のことを指す
  2. 人的資本の理論は1950年代から唱えられているが、人的資本経営は不確実かつ人材不足が明らかな現代に適した経営理論である

※組織的人的資本とは、自社独自の「個人の力を最大限発揮して生まれる共創力」・「競合優位性を生むため競争力」を合わせたものと定義。

 今回、人的資本経営を実行する思考の手順として同社が公開したフレームワークは次図の通り。

[画像クリックで拡大表示]

 同フレームワークは、個別施策ごとにバラバラになりがちな人的資本経営に関する議論に対し、①から⑤のプロセスを行うことで、人的資本経営の思考・整理を促進することを企図したもの。

  • STEP①:パーパス・ミッション・中期経営計画などの中長期的な理想・大義を設定
  • STEP②:①の理想と現状とのギャップを定義することで、課題が明確化
  • STEP③:課題を解決するために人的資本投資を行う。人的資本投資には、個人能力を引き出す投資と、カルチャー・集団への投資という2種類がある。カルチャー・集団への投資は、たとえば心理的安全性が向上するなどの個人の人的資本を最大限発揮させる土台構築につながり、組織的人的資本が創出される
  • STEP④:インプット・アクションによる良い変化が事業活動の中で生まれる。自社の理想や課題に沿った独自指標と、他社と比較可能な指標という2つの視点で変化を分析
  • STEP⑤:事業成長などのアウトカムにつながり、それが①の中長期的な理想・大義の達成へと循環していく

 同フレームワークに沿って議論することで、企業の経営戦略と人事戦略を強く連動させ、それに紐づく投資について整理し、社内での共通認識や市場からの理解・共感を得やすくすることができるという。

 田中弦氏は、人的資本の開示義務化以前に先行開示していた企業の統合報告書957社、海外企業330社、2023年3月末決算企業の有価証券報告書2,325社を独自に調査しており、それらの開示情報から現状や共通項を見出し、日本の人的資本経営に対して危機感を持っていると述べている。

 リサーチの結果として、ほとんどの企業が女性活躍・男性育休・有給取得率など比較可能指標を掲載しているのみであり、開示が充実している企業は上場企業の11%に過ぎない※1という事実が明らかに。2040年に日本の労働人口は1,100万人不足すると言われる※2社会問題に立ち向かうには、人的資本経営に本格的に取り組む必要があるとしている。

※1:田中氏独自の基準。開示充実度を6段階で評価し、4(人的資本に関する独自指標の開示・目標の設定がある等)以上の企業が11%

※2:リクルートワークス研究所「Works 177 未来予測 労働力はどれだけ足りなくなる?」参照

 なお、今後の人的資本経営の推進状況を見て、同フレームワークは随時進化させていくことを想定しているという。

「人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)」の権利について

 同フレームワークは、自由に使われることで議論が生まれ、好事例が作り出され、日本全体の経営が変わることを目的として作成されたという。そのため、現代の新たな著作権ルールとして政府や自治体なども活用している「クリエイティブコモンズ」を使用し、同社が著作権を保持したまま自由に流通させることにしたと述べている。

 同フレームワークは、下記の利用方法をもとに、特にUniposに連絡する必要なく無料で利用できる。

▼利用方法

利用の際、下記のクレジットを表記。

人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)/Unipos株式会社提供

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
関連リンク
この記事の著者

BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング