SOMPOホールディングス、損害保険ジャパンは、AIの信頼性確保に向けたガイドラインの策定とリスク管理体制の構築のため、米国Robust Intelligence社と業務提携を行い、2023年8月から生成AIを活用した業務システムのリスク評価テストを開始した。

　損保ジャパンは「お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献」することを経営理念に掲げ、その実現のため生成AIや音声認証、画像認識といったAI技術を活用して様々な事業展開を進めているという。そのため、同社はEnd-to-EndのAIリスク管理ソリューションを提供するRobust Intelligence社とともにAIの信頼性確保の実現を目指すとしている。

　具体的には、AIが持つリスクを第三者の視点を入れて継続的に評価し、それらを適切に管理する方法を作り上げることで、安全で信頼性の高いサ ービス提供を実現。また、SOMPOグループ全体においても公正で透明なAIガバナンスの構築を目指すと述べている。

　現在、損保ジャパンでは大規模言語モデル（LLM）を組み込んだ社内照会システムを開発中だという。システムの性能向上のため、同システムで採用している生成AIモデルに対してRobust Intelligence社が提供するプラットフォームを活用し、品質・倫理・セキュリティなど様々な観点から設計されたテストによるリスク評価を実施。 評価結果とRobust Intelligence社による分析を通して、生成AIモデルの出力結果の正確性向上のための具体的な対策の検討や、同システムの挙動の特性を踏まえた適切な利用ルールの策定における観点の整理を迅速に行うことができたとしている。

　今回のリスク評価の結果は同システムの改善に活かされるほか、SOMPOグループ全社への展開を見据えたAIガイドライン策定にも活用されるという。実際に活用しているAIモデルのテスト結果をAIガイドラインに反映させることで、より実効性のあるガイドラインの策定・改定につなが り、「テスト→評価→評価項目の反映→テスト」というサイクルを回すことで、アジャイルなAIガバ ナンスの構築を実現できると考えているという。