2026年2月3日、エフペリが主要17業界を対象とした「男女賃金差異」と「女性管理職比率」の横断分析結果を発表した。本調査では、東京証券取引所が定める「Core30」「Large70」「Mid400」(2025年10月改定前)に該当する主要企業の有価証券報告書などの公開情報をもとに、人的資本指標を業界別に集計した。

調査によると、2025年の業界別で見た男女賃金差異(女性の賃金を男性=100とした割合)は52.6%~76.7%、女性管理職比率は3.4%~20.6%と、いずれも業界間で大きな幅が存在することが判明した。特に、「女性管理職比率が高い業界ほど男女賃金差異が小さい」といった単純な連動関係は見られず、登用(代表性)と処遇(賃金)の変化は同じ速度で進行しない傾向があることが示された。
例えば、銀行業界では女性管理職比率が高い一方、男女賃金差異も相対的に小さい傾向が見られた。一方、エネルギー資源業界では女性管理職比率が低く、男女賃金差異も大きいという配置が確認できる。また、製造・装置産業系は女性管理職比率が低い業界群としてまとまりを見せている。
これらの分布は、企業が人的資本経営を行う上で、登用(管理職登用・育成)と処遇(賃金設計)を別個のKPIとして管理し、それぞれに応じた施策設計を行う必要性を示唆している。職種や等級、配置、評価のあり方が業界構造や雇用慣行ごとに異なるため、自社の人的資本戦略を打ち立てる際には、業界全体の中での自社の位置付けを客観的に把握することが重要になる。
エフペリが提供する人的資本データ分析プラットフォーム「Career Reveal」は、公開情報を横断して可視化・整理することで、経営企画・人事・IR/ESGの実務担当者に対し、自社の現状と改善ポイントの把握や、投資家との対話における指標の根拠説明などを支援している。
今回の調査で活用された指標は、男女賃金差異(%)、女性管理職比率(%)であり、2025年期の集計社数は男女賃金差異が367社、女性管理職比率が364社となっている。調査結果は、人的資本経営の具体的アクションプラン立案や人的資本開示のストーリー設計に活用できる情報として、経営企画や人事部門など、企業の組織変革や新規事業に携わる担当者も注目すべき内容だ。
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