三菱UFJ信託銀行と同社子会社であるFirst Sentier Investorsが共同で運営するMUFG ファースト・センティア サステナブル投資研究所は、レポート「企業側から見た建設的なエンゲージメントとは」を発行した。
株主は、資本を提供するだけでなく、企業の行動を監視し、精査し、影響を与えるというサポートを担っており、エンゲージメントがうまく機能すると投資家の視点によって、企業の経営陣が検討していなかった課題や提案がもたらされる可能性がある。しかし、エンゲージメントには経営陣による解決への時間的なコミットメントも必要であり、彼ら彼女らが他の業務に割り当てられる時間がその分、制限される点にも株主は留意する必要があるという。
同報告書は、株主が行った最も効果的なエンゲージメントの手法および行動の特性を明らかにすることを目的としているという。言い換えれば、企業の行動、戦略、方針を変えるきっかけとなる行動だとしている。企業は、従業員、顧客、サプライヤー、規制当局、同業他社などといったステークホルダーと頻繁に関わっているが、同報告書の焦点は株主に置かれている。
同社はこの調査結果に基づき、株主がエンゲージメントの有効性を向上させるために考慮すべき行動を提言している。
株主のエンゲージメントが企業の行動につながる可能性を高めるための9つの提言
- 企業との信頼関係と相互理解を築く
- エンゲージメントの目的と成功の基準を最初に議論する
- 企業にとっての付加価値と、その戦略との結びつきを示す
- 可能な場合は、他の株主と協働する
- 直接、プライベート、そして対面でのエンゲージメントを行う
- 対立的なエンゲージメントは、使うときも賢明に行う
- 議決権行使助言会社の推奨に自動的に従うのではなく、アドバイスとして受け止める
- 有能で経験豊富な人材に、企業のエンゲージメントを率いてもらう
- 企業の優先事項とリソースを考慮する