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藤幡 正樹

(フジハタ マサキ)

日本のメディア・アートのパイオニア。80年代にコンピュータ・グラフィックス作品《Mandala1983》をアメリカのシーグラフで発表し広く知られることになる。インタラクティブ・アートの古典ともなっている《Beyond Pages》は1995年、ネットワーワークをテーマにした作品《Global Interior project#2》は1996年、デジタル空間と現実空間の往復と接続の問題に深い興味を持っている。1992年からはじるプロジェクト《Field-works》シリーズでは、GPSを用いて取得された位置データと現場でのビデオ画像を、3次元のサイバー空間に展開したもので、この「映画の未来形・メディアの進行形」とも言えるまったく新しいプロジェクトは、他者の追従を許さないものがある。これまでに数多くのプロジェクトが、世界各地で実現されたが、2012年にフランスのナント市で実現された《Voices of Aliveness》は、自転車に乗る参加者の叫び声をサイバー空間へと集約したもので、このシリーズの代表作である。
2016年にAR(拡張現実感技術)を用いた自身の作品を集めたアーカイブ本《anarchive °6》がパリで出版される。2018年には、45~70年代の香港に焦点をあて、ARを用いて過去の人物たちが現在の空間に重なるパブリックアート・プロジェクト《BeHere》を実現した。
1996年、アルス・エレクトロニカ(リンツ、オーストリア)で日本人初のゴールデン・ニカ賞を受賞、その後も複数回受賞。2010年文化庁「芸術選奨」文部科学大臣賞を受賞、2016年に内閣府より紫綬褒章を受章。1989年から慶應義塾大学環境情報学部で教鞭を執り、1999年から東京芸術大学美術学部先端芸術表現科教授、2005年から同大学大学院映像研究科の設立に参加し2012年まで研究科長を勤める。2015年に自主退職。現在は東京藝術大学名誉教授。2017年はオーストリアのリンツ美術大学、2018年は香港バプティスト大学の客員教授として滞在。

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