北九州市とIHIおよび日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は、熱マネジメントによる北九州地域のグリーン・トランスフォーメーション(GX)の推進を目的とした連携協定を締結した。
今後、連携協定にもとづき、国内の民生・産業部門で消費されるエネルギーの約6割を占める「熱エネルギー」の脱炭素化によるCO2排出量削減に向けた実証を実施し、北九州市の事業者や学術研究機関と連携した地域内でのエネルギー融通の仕組み構築に向けた検討を進めていくという。
また、2022年11月に設立されたIBM九州DXセンター(北九州市)が、産官学共創の推進とGX人材育成や新規事業開発支援、熱マネジメントに必要なITソリューション開発などにおいて実証・事業化を推進するとしている。
北九州市は、鉄鋼や化学などの素材産業、金属や機械などの加工組立産業を中心に、ものづくり産業が集積し、これまで発展してきたという。現在は、環境先進都市として、2022年2月に策定した「グリーン成長戦略」に基づき、2050年ゼロカーボンシティの実現に向け、環境と経済の好循環による新たな成長を産官学で協働して総合的かつ戦略的に推進していると述べている。
この環境とものづくり産業集積の強みを活かし、グリーンとテクノロジーの掛け合わせによる新たな産業の創出や、企業の競争力強化につながる脱炭素化の実現に向けたイノベーションを創出するため、産官学金オール北九州による「北九州GX推進コンソーシアム」を昨年12月に設立。同コンソーシアムの取り組みを通じたGX関連の研究開発・産業集積の加速化と地域企業の変革を進め、北九州市が掲げる「稼げるまち」の実現を目指すこととしているという。
北九州市、IHI、日本IBMは今後、北九州地域の事業者とともにカーボンニュートラル実現に向けた熱マネジメントのプラットフォーム構築を含む、GX推進に向けて共創していくと述べている。