この科目は、いままで修得してきた問題解決力を、実在する地方自治体に対する施策提案という形で実践することを目的としているという。
この科目は、現地に一定期間住み込んで行う従来型の地方創生活動とは異なり、オンライン環境を利用して遠隔から、「日本あるいは世界から見た東峰村」「福岡、九州、日本という枠組みを超える視点から見た東峰村」など、新しい視点で地方創生を考えることができることが特徴となっている。
「プロジェクトT」は、オンライン環境で実際に存在する地方自治体の課題に立ち向かうという問題解決やマーケティングの応用科目となる。
クライアントである澁谷博昭東峰村長から出された課題は「人口減少、高齢化により過疎化する東峰村の定住人口を増大し雇用機会を創出してほしい」というもので、参加学生は福岡県朝倉郡の東峰村という福岡で最少の自治体が抱える人口減少問題について、社会起業・地方創生の視点から考え提案する。
この科目はその大部分がオンライン環境で運営されるため、日本各地、あるいは世界中から学生が参加することも可能となる。こうした、遠隔から各分野のエキスパートなどが地方創生に貢献できる仕組みへの可能性を示唆し、将来的には1つの地方創生のモデルとして確立させられることを目指していきたいとしている。
今年度は、約15名の学生の履修が予定されており、その居住地は東京、大阪、愛知等の都市部をはじめ、地元福岡や大分、さらには北海道や中国の深センなど多岐にわたっている。
約4か月の開講期間中、現地で行われる講義は、初期の現地調査、ヒアリングなどを行う「フィールドワーク」(4日間)、各グループの案を発表し村長のフィードバックをもらう「中間発表」(1日間)と最後の「最終プレゼン」(1日間)の3回のみとなる。
上記以外の期間は、「AirCampus」を活用しながらディスカッションを重ね、チームごとに調査や事例研究、仮説検証やプラン作成に取り組む。学生には、クライアントからの依頼事項や期待を的確に理解した上で、クライアントの期待以上の提案ができるようになることを期待するという。