あらゆるステークホルダーを巻き込むために
リュー氏は前田氏のヒントを受けて、人生で一度も自分をマイノリティだと思ったことのない人たちを巻き込むことの難しさを指摘し、さまざまなステークホルダーを巻き込むためにはどうしたらいいかと投げかけた。
バロン氏は、日産では日本人のリーダー層を対象に、実際に起こりえる状況を脚本にした演劇を見てもらうセッションを行ったと話す。外国人従業員が「この会議は日本語で行うので、あなたはこなくていいです」と言われた状況を再現するといった演劇である。これを見ることで、リーダー層が何気なく言った言葉によって、従業員に悲しい思いをさせていた、と自分の行動やコメントが人に及ぼす影響を意識するようになるかもしれない。この演劇だけで全員の意識が変わったとは思えないが、影響を与え続けることが重要だと話す。