アーサー・ディ・リトル・ジャパン(以下、ADL)は、ADL Blue Shift Instituteが中心となってまとめた最新レポート「AIが変える研究開発・イノベーションの未来(原題:EUREKA! ON STEROIDS)」の日本語版を発表した。

同レポートは、ADLのBlue Shift Instituteが、AIをR&D&I(研究開発・イノベーション)に活用している官民の主要5組織と共同で実施した調査に基づくもので、「AIの現状、課題、ベストプラクティス、ソリューション・プロバイダーの状況、将来のシナリオ」を明らかにし、企業が先手を打つために今何をすべきかを示すもの。
R&D&IプロセスにおけるAI活用を5つの章から考察
生成AIや大規模言語モデルの進化は、R&D&Iプロセスの加速に大きく寄与するとともに、多くの企業が生産性向上や創造的課題の解決に向けたAI活用を始めつつあるという。
同レポートでは、AIをR&D&Iプロセスに活用しているLVMH、Avril、GRTgaz、フランス国立科学研究センター(CNRS)、フランス国立農業食糧環境研究所(INRAE)の専門家と共同で調査を実施。AI活用の最前線にいる40名へのインタビューを行っただけでなく、AIの成熟度、貢献度、メリット、課題を明記したアンケート調査を実施して、民間企業や公的機関に所属する200人以上から回答を得たという。これにより、AIがR&D&Iプロセスにおいてもたらしているメリットと将来に向けた戦略の考え方についてまとめたとしている。
5章構成となる同レポートは、第1章「R&D&IにおけるAIの可能性」で、R&D&IプロセスにおいてAIの利用を通して得られるメリット、第2章「成功を確実にする方法」で、アジャイルプロセスの導入やデータ基盤の整備などAI導入における方法論とIT部門との連携、継続的な改善のポイントについて触れている。続いて、第3章「ツールとプロバイダー」で、R&D&IにおけるAIエコシステムを概観し、有望なAIアプリケーション・プレーヤーを例示。さらに、第4章「未来への航海」では、R&D&Iプロセスにおける活用可能性を「性能」「信頼性」「手頃さ」という3つの要因から分類し、今後の方向性を6つの将来シナリオとしてまとめたという。第5章「戦略的行動」では、組織に対して「後悔しないため取るべき6つの指針」として、「計算資源の相互活用」「データの共有」「AI人材のマネジメント」「従業員のトレーニング」「AIとデータのガバナンス」「AIが生成したコンテンツの制御」を掲げているとのことだ。
日本語版においては、ADLジャパン パートナー 三ツ谷翔太氏による、日本企業に対してR&D&IプロセスにおけるAI活用に対するメッセージも記載している。
「AIが変える研究開発・イノベーションの未来(原題:EUREKA! ON STEROIDS)」日本語版
- 第1章:R&D&IにおけるAIの可能性
- 第2章:成功を確実にする方法
- コラム:データに焦点
- 第3章:ツールとプロバイダー
- 第4章:未来への航海
- 第5章:戦略的行動
- 最後に:日本語版読者に向けて(ADLパートナー 三ツ谷翔太氏)
概要
- 費用:無料
- 発行:Arthur D. Little Blue Shift Institute
- 仕様:72ページ/PDFにて配布
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