起業成功の確率を高めるヒト・カネの制度設計
イノベーション:具体的な運用面について掘り下げていきたいのですが、出向と辞職の選択制も非常に重要な差別化要素ですね。多くの企業では独立支援制度と復職制度が別々に存在していますが、ドコモではそれを一貫した制度として設計されています。さらに、創業メンバーとして最大3名までの参画を認めている点も特筆すべきでしょう。多くの企業では代表者1名のみとしているケースが大半です。
原:おっしゃるとおり、制度設計では起業成功の確率を高めることを重視しました。出向制度は社員にとっての安心感と、会社側の人材維持と、双方にメリットがあります。一方で、私も経験したからわかるのですが、投資家の視点から見ると、社長が出向形態である企業への投資には慎重にならざるを得ないという現実があります。