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エプソンとぐるなびがなぜタッグを? 「ミセメディア」開発秘話には共創のヒントが詰まっていた

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事業グロースには革新性ゆえの苦労も

──社内には新規事業の創出に対してウェルカムな雰囲気がありますか?

中原:その雰囲気を醸成するのも私の仕事だと考えています。新しい挑戦を受け入れる/受け入れないという選択の余地はなく、企業成長のためには新しいビジネスを生み出さなければならないからです。

大塚:私が所属する飲食店メディア化事業推進部の前身は法人営業部でした。つまり、新規事業を創出するチームではなかったんです。飲食店の価値を広げる新規事業を生み出すにあたり名称が変わり、既存の業務を続けながらミセメディアに取り組めています。

──事業をグロースさせるにあたって、どのような壁に直面していますか?

中原:サービスの新しさ故に、広告主が出稿の稟議を通すまでに時間を要しています。「ミセメディアの良さはわかる。トライしてみたいが、上長をどう説得すれば良いかわからない」と言われることもしばしばです。プロモーションサービスが乱立する中で、新たなメディアとしての認知と理解を促進するため、リアルとデジタルの両面で施策を展開しています。

──現時点で、設定していた売上目標はどの程度達成できていますか?

中原:現実的な目標を設定していたこともあり、現在は想定どおりに推移しています。机上では右肩上がりの成長曲線を描くこともできますが、顧客の価値を丁寧に確認しながらビジネスモデルを育てていくことが重要です。

 そのような目標設定に理解が得られる環境で取り組めている点は、我々の大きな強みです。エプソン販売としてはミセメディアが三つめの新規事業なんです。それなりに失敗も経験していますし、過度な目標設定はメンバーのモチベーションに響きますから。

“スパーク”する瞬間はきっと訪れる

──両社の展望をお聞かせください。

大塚:様々な企業や地方自治体にミセメディアを活用してもらうため、ニーズを捉えつつ事業の方向性を固めていくつもりです。ぐるなびとしては、飲食店の永続繁栄のためにも、企業や地方自治体の課題解決のためにも、飲食店のメディア化を推進していきたいと考えています。

中原:エプソン販売の展望としては、飲食店だけでなく様々な業種や顧客の課題解決につながるソリューションへと進化させて「あって良かった」と思ってもらえるものにしたいです。

──最後に、新規事業の開発や共創に携わる読者へメッセージをお願いします。

大塚:「簡単には成功しない前提でやること」がポイントだと思っています。一喜一憂している時間がもったいないからです。今回もPDCAを回しながら「失敗したら方向性を変える」を何度も重ねました。最初に定めたゴールは動かさずに、やり方をどんどん変えていくこと。いちいち凹まないこと。これが大切だと思います。

中原:私からは「真面目に考えすぎないこと」をおすすめします。「新しいビジネスモデルを作らなきゃ」と焦る気持ちもあると思いますが、そこで捻り出すのではなく、日頃から薄くても広いネットワークを築いておくんです。すると、事業のきっかけがスパークする瞬間はきっと訪れます。

 出会った一人めとスパークするかもしれませんし、百人めでスパークするかもしれません。それでも様々な業種や職種の方と、自身の困りごとやアイデアを共有しているうち「一緒にやりましょうよ!」というスパークが起こる。企業は結局、人によって成り立つものなので。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(Biz/Zine編集部)(ワタナベ カナ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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